1本がパンクした場合、ほかの3本と残り溝に差があるけど1本だけ交換でもいいのか?
パンクしたタイヤが修理不可能となると、新品タイヤに交換することになるが、そうなると悩むのが残り3本との性能差だ。理想は4本同時交換だが、経済的にも資源的にもそれはちょっともったいない点……と思うのが道理だろう。
タイヤは使っていなくてもダメになる、オイルや水に次いで寿命が短い。近所の買い物にしか使っていないようなクルマなら、新品タイヤに交換しても違いは感じとれないかもしれないが、月に1度以上はクルマで遠出するようなドライバーならその差はすぐにかわるはずだ。
タイヤメーカーによってはゴムの劣化を抑える添加剤を配合して長寿命化を図っているが、以前より長持ちするようになったとはいっても、平均の年間走行距離が短くなってきた最近では、残り溝がなくなる前に劣化してしまうことも珍しくない。
残り溝が5分山(5ミリではなく、新品時の半分でタイヤによって異なる)以上残っているなら、パンクしたタイヤ1本だけの交換でも走行への影響は少ないだろう。
ただし、その場合でも新品タイヤを履かせる“位置”は考える必要がある。基本的には左右のグリップ力などが異なるなら、ステアリングで修正できる前輪に新品1本を履かせるべきで、リアタイヤの左右グリップはなるべく均等にしたほうがいい。
ではタイヤ交換する場合、FF、FR、4WDなど駆動方式によって変わってくるのか? FF車の場合は、フロントヘビーで駆動輪もフロントというレイアウトのため、フロントタイヤの負担が大きい。
それでもFF車の場合、フロントタイヤ1本がパンクしたら、残り溝によって判断が変わってくる。原則はフロント左右2本を新品に交換するべき。フロントタイヤはブレーキ、ハンドリングの性能に大きく影響を与えるからだ。リアタイヤがパンクした場合も、それまでのフロントタイヤをリアに回して、新しい2本のタイヤをフロントタイヤとして履いたほうがいいだろう。
注意すべきはFR車だ。前後タイヤの役割分担がしっかりとあり、タイヤのグリップ力をバランス良く使っているために、前後どちらかのタイヤだけを新品にすると、そのバランスが崩れてしまう。
FRでパワフルなクルマは前後のタイヤサイズも違っていることも多く、フロントタイヤがパンクしたからリアタイヤをフロントに履かせるということができない場合も多い。
パンクしたら、残り3本のコンディションが非常に良ければいいが、6分山以下になっていれば、前後どちらかがパンクしたら左右を新品にしたほうがいい。やはり4分山以下なら4本新品に交換することをお薦めする。
4WDは一番安定性の高いパワートレインだが、タイヤの直径がパンクした1本だけ大幅に変わると駆動系に支障が出るため、タイヤの減り具合を見ながら、タイヤローテーションを含め、ディーラーに相談してもらうのが安心。
JAFのタイヤ貸し出しサービスを利用するのも手だ

JAFに出動要請をして、バーストや側面が損傷してしまった場合、応急修理はできず、他のタイヤに交換しなければ走行することはできない。
しかし、近年はスペアタイヤを搭載していない車も増えている。JAFでは、応急修理が不可能なタイヤトラブルに対応するため、各都道府県(一部地域を除く)において、タイヤの貸し出しサービスを実施している。
このタイヤ貸し出しサービスはJAF会員向けにサービスで、タイヤ交換を行う最寄りのディーラーやタイヤ販売店まで使うことができ、返却は宅配便にてJAF指定ロードサービス基地に返却する。
・タイヤのバーストや側面の損傷により走行できなくなり、かつスペアタイヤがない場合
・スペアタイヤはあるがパンクなどにより使用できない場合
・貸し出し用タイヤのサイズとホイール形状などがお客様のクルマと適合した場合のみ、取替作業を行行う
スペアタイヤがないという、いざという時はこのJAFのタイヤ貸し出しサービスを利用するのも手だ(詳細はJAFに問い合わせを)。
【画像ギャラリー】マジかタイヤがパンク!!! 1本交換するだけでいいのか? それとも2本? 全交換? その分かれ目はどう判断すればいいの?(6枚)画像ギャラリー
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