アウディが主力モデルであるA4の後継モデルとして新型のA5とS5を発表した。最大の注目は、今後のアウディを支える新しいプラットフォーム「プレミアム・プラットフォーム・コンバスション(PPC)」の存在だ。他モデルへの導入、グループ内の棲み分け、そのあたりがどうなるのか、ここでは解説してみたい。
文:藤野太一/写真:アウディ
電動化の影響が多方面に及ぶアウディ
2025年2月、新型アウディA5シリーズが発売された。しばらく華やかな話題がなかったアウディにとって待望のニューモデルだ。
アウディは2021年の段階で電動化戦略「Vorsprung 2030」を打ち出していた。これは、2026年以降に登場するすべてのモデルを電気自動車に、内燃エンジンの製造は2033年をもって終了するというものだった。
しかし、世界的な電気自動車のセールスの伸び悩みなどをうけ、内燃エンジン終了の期限を定めず柔軟に対応するという声明を出している。そして2024年からは電気自動車を偶数に、内燃エンジン車には奇数の数字を割り当てる車名の再編成を進めていた。したがってこの新型A5は、従来のA4の後継モデルという位置づけにある。
ところが少々ややこしいのだけれど、今後はこの法則もやめて、ボディサイズにあわせて1〜8の数字が割りあてるもとのカタチに戻す予定で、電気自動車には「e-tron」という名称を付加するという。車名すらも電動化の波に翻弄されているようだ。
【画像ギャラリー】助手席にモニターあるじゃん!! スゴ!! カッコよすぎる新型A5全貌を一挙に(14枚)画像ギャラリー車名はセダンもワゴンもクーペもすべてA5に
これまでA4には、「セダン」とステーションワゴンの「アバント」が、A5には「クーペ」、「カブリオレ」、5ドアハッチバックの「スポーツバック」というモデルバリエーションがあったが、新型A5はそれらを統合したもの。
このたび発売された新型は、ファストバックの「セダン」と「アバント」の2モデルと設定となっている。
新型A5で注目のポイントは、プラットフォームが刷新されたこと。これまでのMLBプラットフォームの後継となる「プレミアム・プラットフォーム・コンバスション(PPC)」と呼ばれるもので、縦置きの内燃エンジン車用のものだ。今後はこれをもとにした新型Q5やQ7、A6なども導入される予定だ。
ちなみにすでに日本でも発表された新型Q6 e-tronと姉妹車となる電気自動車のポルシェマカンが採用しているのが「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」で、内燃エンジン車用のPPCと棲み分けがなされている。
従来のMLBプラットフォームベースのマカンはサイバーセキュリティ法規に適合できず年内で生産を終了する予定で、ポルシェはマカンをこのPPEベースの電気自動車のみにする方針を打ち出してきた。
しかし、世界的に電気自動車のセールスは踊り場にある。アウディが方針変更を打ち出しているのと同様に、ポルシェにもそれが必要なことは想像に難くない。ここで勘のいい人なら気付くと思うが、そもそも内燃エンジン車のQ5とポルシェマカンは姉妹車である。
PPCベースの新型Q5がすでに本国では発表されているわけで、それをもとにした内燃エンジン版の新型マカンをつくることは可能なはずだ。実はすでに開発はスタートしていると噂されている。
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