一般的にいわゆる「ヨンク」のイメージが薄いマツダだが、実はコツコツと開発を進めており、かなりのパフォーマンスを持っているのだ。今回はFRベースの最新モデル、CX-80で雪の北海道を走った!! マツダに厳しい印象の国沢光宏氏はどう判断する?
※本稿は2025年2月のものです
文:国沢光宏/写真:森山良雄、マツダ
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
マツダの新時代AWDに雪上試乗
マツダの4WDが優れた性能を持っていることは、ほとんど認知されていない。というのもマツダ自身、今まで積極的にアピールしていなかったからだ。
なぜか? 旧体制時代に聞いてみたら「雪道を走れるのは当たり前だからです」。しかも新型コロナ禍もあり、何年も雪道試乗会を開いていなかった。認知されていないのは無理ない。そんなことから6年ぶりのマツダで雪道です。
今回の試乗車はCX-80。6年前はCX-5やマツダ3といったFFベースの4WDだったけれど、FRベースになった。
改めてマツダ4WD(マツダはAWDと言っているけれど一般的に使われる4WDにします)の特徴を紹介しておくと、他社より明らかに進んでいるのがセンサーを使った総合判断だ。
4輪に付く精密な車速センサーで微妙な滑り始めまで検知して路面のミューを判定する。
さらに気温センサーで凍っているかわかります。ワイパーが動いているかどうかを加えることで、雨とドライと雪道を判定できる。
勾配やGセンサーにより前後左右の限界Gも推定できるから、その時の路面でのクルマが持つ駆動性能をフルに発揮できる。高い性能を持つ4WDだったのだけれど、6年前の時点ではブレーキ制御や、攻めた走りは苦手としていた。滑る前に制御するからだ。
例えば右輪がアイスバーン、左輪が舗装路面だったとしよう。雪道じゃよくあるケース。
6年前のマツダは、ABSを雪道に合わせていた。なるほど急ブレーキ踏んでもハンドル修正することなく減速する。しかし舗装路面に合わせれば、少しハンドルを右に修正しなければならないが、短い距離で止まれるのだった。当時のマツダはドライバーの技量に頼ることを是としなかったワケです。
【画像ギャラリー】2025年の国沢氏が2015年の国沢氏と乗り比べる!? 10年間の進化を体で感じるマツダAWD(20枚)画像ギャラリーテールがきっちり流れる!
今回試乗したCX-80は、そんな路面でフルブレーキすると、少しハンドルで修正しなけばならないが(誰にでもできるレベルです)、圧倒的に短い距離で止まれるようになっていた。
また、滑る前に速度を落としていた制御も、アクセルを積極的に踏めば多少の滑りを容認するようになっており、楽しめるようになっている。トラクションコントロールをカットすると一段と滑る(笑)。
試乗のためクローズドされたコースで振り回してみたら、素晴らしい! FRベースの4WDのよさがキチンと出ており、ハンドル切ると素直に向きを変え、そこからアクセル踏めば後輪+前輪に駆動力を伝えるため曲がりながら加速していく。
クルマの性能を確認するための試乗会なのに、ついつい楽しんでしまったほど。マツダの4WDを買ったら、ぜひ雪道を走ってみてほしいと思う。
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雪上でのAWD評価はべた褒めに近いもの!! 舗装路での乗り心地が上がれば皆さんにおすすめできるSUVですね。
【画像ギャラリー】2025年の国沢氏が2015年の国沢氏と乗り比べる!? 10年間の進化を体で感じるマツダAWD(20枚)画像ギャラリー
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