2025年3月26日、欧州日産は、BEVに生まれ変わった小型自動車、新型「マイクラ」を発表した。マイクラはかつて日本市場で販売されていた「マーチ」の欧州版であり、今回はルノーとの協業により欧州市場向けとして生産・販売される。
現時点では日本市場への導入は明らかになっていない新型マイクラだが、マーチ(マイクラ)ときいて期待したいのが、大人気となった「フィガロ」の復活だ。1991年に限定生産されたフィガロだが、現在でも程度によっては500万円超えの価格を付ける個体もあるほど根強い人気がある。はたして新型「フィガロ」はありえるのか!?? 考えてみよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:NISSAN、RENAULT、Alpine
【画像ギャラリー】カッコイイ!! 新型マイクラと同じプラットフォームを持つ新型ルノー5(サンク)とアルピーヌA290(19枚)画像ギャラリー新型マイクラは、新型ルノー5(サンク)と姉妹車
今回登場した新型マイクラはEV専用モデルだ。ルノーと共同開発されたEV専用プラットフォーム「CMF-B EV」が使用され、新型ルノー5(サンク)とは姉妹車にあたる。アルピーヌA290とも姉妹車だ。
デザインは、スタイリッシュでBEVらしい先進性を感じさせながらも、かつてのマーチ(3代目、K12型)を彷彿とさせるような愛くるしさもあり、日産のロングセラーモデルとしてのアイデンティティもしっかりと感じられる。シンプルでコンパクトなパッケージングは、欧州人が好みそうな内容で、ルノー5E-TECHエレクトリックとスペックが同じならば、40kWh仕様は最大航続距離300km、52kWh仕様は410km(いずれもWLTPサイクル)となる見込みだ。
価格はまだ明らかになっていないが、ルノー5(サンク)が現地ベース価格で2万5000ユーロ(約405万円)からとなっており、新型マイクラもほぼ同等の価格で販売となるだろう。欧州市場での販売開始は、2025年内を計画しているそうだ。
BEVではあるが、フィガロらしさを残すため、あえて古めかしい内装にしてほしい
この新型マイクラも、このまま「マーチ」としてぜひとも日本に導入してほしいのだが、BEVであることを考えれば、需要を喚起させるため、デザインにより個性を持たせたモデルもぜひとも用意してほしいところ。そこで提案したいのが「フィガロ」の復活だ。
日産「フィガロ」は1991年に2万台限定で生産されたモデルだ。当時のマーチ(K10型)をベースとしたコンパクトなサイズと、クラシカルなデザインとボディカラーによって、販売開始とともに大人気となった。新型マイクラのプラットフォームをベースに、上屋と内装を入れ替えて「新型フィガロ」に仕立ててほしいのだ。
フィガロのモノフォルムなシルエットや丸目ヘッドライト、メタルトリム、ソフトトップなどを上手く取り込んだ新デザインを取り入れつつ、「ネオクラシカル」コンセプトは色濃く残したいところ。たとえばインテリアでは、シンプルかつ細めのスリースポークステアリングホイールや、足の長いシフトレバー、まん丸のツインメーター、ハンドル後方にあるトグルスイッチ(A/C切替とハザード)など、古めかしさを残してほしい。最新のデジタルメーターやタッチ式シフトスイッチ、e-PKBなどは運転操作を楽にしてくれるが、あえて面倒を楽しむクルマとして用意するのもよいと思う。
コメント
コメントの使い方スイッチ類の果てまで専用設計という気合いの入り方が本物でしたね。
ヴィヴィオビストロやミツオカビュートが流行った時期に日産のパイクカーがどれ程凄いのか思い知らされました。