アメリカで売ってない[アメ車]がスゴイ!! 新登場[アベンジャー]に思う本音とは

アメリカで売ってない[アメ車]がスゴイ!! 新登場[アベンジャー]に思う本音とは

 日本では2024年9月に登場したジープ アベンジャー。ジープ初となる電気自動車で、米国外で生産されるうえに4WDの設定がない。しかしテリーさんは「それでもアベンジャーはジープの一員!」と言いきる。でもひとつだけ気になるのは……!?

※本稿は2025年2月のものです
文:テリー伊藤/写真:西尾タクト ほか
初出:『ベストカー』2025年3月26日号

ジープ初の電気自動車、ジープ アベンジャー。生産国も駆動方式も、まったく新しいジープファミリーだ
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ジープらしくないが……これもまたジープ!

ジープ初の電気自動車、ジープ アベンジャー。生産国も駆動方式も、まったく新しいジープファミリーだ
ジープ初の電気自動車、ジープ アベンジャー。生産国も駆動方式も、まったく新しいジープファミリーだ

 今回の試乗車はジープだが、EVで、しかもアメリカでは売っていないという、およそジープらしくない「アベンジャー」である。

 生産工場はポーランドで、2023年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーも獲得しているというのだから、実質的にはヨーロッパ車。フィアット、プジョー、シトロエンの小型EVと共通のプラットフォームを使っているとのことで、時代が変わればジープも変わると感慨深い。

 では、そんなジープが気に入らないのかと言えば、まるっきり逆である。撮影現場で実車を見た瞬間に一目惚れした。全長4105mm、全幅1775mmのサイズがちょうどよく、デザインも素晴らしい!

 日本でジープといえばラングラー、チェロキーのイメージが強く、コンパクトサイズのジープはあまり人気がないという現実がある。こう言ってはなんだが、このアベンジャーもおそらくヒットする可能性は低いだろう。

 しかし、そんなこととは関係なく、今の私にとってはベストジープだ。かつては私もラングラーが好きで先代モデルを今も持っているが、近年のラングラーはちょっとやりすぎ。価格も上がり続けて、手の届かないクルマになってしまっている。

 アベンジャーはコンパクトだが、伝統の7スロットグリルをはじめとしてジープらしいデザインなのが嬉しい。インテリアもシンプルで初めてでも使いやすく、身構えずに乗れるのがいいところだ。

 実は、前輪駆動のみで4WDがないというのがジープらしくないところだが、ジープ初のEVという時点でそのあたりは割り切っているはずだ。過去から引き継いでいるものはほとんどなく、それでも内外装でジープらしさをアピールしている。

 特殊な例を除いて、もはやクルマはイメージ商品なのだ。生まれ育ちがどうであれ、アベンジャーは立派なジープの一員。私の考えはそうである。

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ないものねだりの最たるものだが……

コンパクトなサイズで走りやすい。日本の小型車にはない存在感の強さもいいところだ
コンパクトなサイズで走りやすい。日本の小型車にはない存在感の強さもいいところだ

 一方で、「こんなクルマはジープじゃない!」と全力で否定する人たちもいそうだ。EVで4WDがなく、ベースがヨーロッパ車ときたら古くからのジープファンは卒倒しそうになっているのではないだろうか。

 2001年にミニがBMWミニになった時のことを思い出す。当初、新型ミニはBMW製であることを隠そうとしていたのだ。コアなイギリス車ファンに対する配慮や遠慮があったのだろう。

 このアベンジャーも似たようなものだろう。なんたってアメリカで売っていないジープなのだ。セールスマンにしてみれば、そのあたりはできるだけ内緒にしておきたい話ではないだろうか。

 メイドインUSAが大好きなジープファンの気持ちもわかるが、ヨーロッパ産だからこそ、このカジュアルな雰囲気になっているのだとも思う。若い人たちが車内にぎゅうぎゅう詰めになってドライブしているシーンを想像すると、とても楽しそうだ。そんなシーンが似合うジープもいいものではないか。

 ただ「それを言っちゃあおしまい」なのだろうが、「EVでなければよかったのに」というのが本当のところだ。ヨーロッパでは1.2Lガソリンエンジンのマイルドハイブリッドも売っているということで、それを日本で売ってほしかった! もしあれば、本気で購入を考えただろう。

 アベンジャーの航続距離は485kmとされている。実際の使用でも400kmは走れるだろう。価格は580万円だが、国の補助金が65万円出るし、都府県の補助金もある。だがやはり、EVはどうしても「不便なもの」という意識が拭えず、ハードルが高い。

 「ないものねだり」の最たるものだが、なんとかマイルドハイブリッドの導入を考えてもらえないだろうか。

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