ジムニーノマドだけじゃない!! 平成の[攻めたスズキ車]列伝

ジムニーノマドだけじゃない!! 平成の[攻めたスズキ車]列伝

 デビュー直後の最大瞬間風速とはいえ、オーダーストップがかかるほど爆売れしているジムニーノマド。時にそんな大ヒット車を排出するスズキだが、実は我々をうならせるような攻めたモデルも多く輩出している。平成に生まれた、攻めのスズキ車はこれだ!

文/木内一行、写真/スズキ、CarsWp.com

ジムニーノマド邁進中!! 平成の[攻めたスズキ車]列伝
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「軽自動車の新時代を切り拓いたマスターピース」 ワゴンR

ジムニーノマド邁進中!! 平成の[攻めたスズキ車]列伝
全長と全幅を軽自動車規格いっぱいまで広げつつ、全高を高めに設定して可能な限り室内空間を広げたワゴンR。今では全高1800mmに迫る軽自動車は珍しくないが、当時はこの背高スタイルが斬新だったのだ

 今では各社からさまざまなモデルがリリースされている軽トールワゴン。小さなボディからは想像できないほどの広い室内空間が魅力で、老若男女問わず幅広い世代から人気を集めている。 

 そんな軽トールワゴンは今や欠かせないジャンルだが、いち早くそのスタイルを取り入れたのがご存じワゴンRだ。

 ワゴンRが画期的だったのは、セダンの延長線上のスタイリングと乗用車的な乗り味ながら、全高を高くすることで室内の空間を一気に拡大したこと。

 それまでもワンボックスタイプの軽自動車はあったが、それらは商用車の延長だった。ボディは四角い箱型で、前席はタイヤの上に位置するため乗り心地も決して良くなかった。

 ところが、ワゴンRはアルトやセルボと同じシャシーを用い、ミニバン的な背の高い1.5ボックスフォルムを採用。さらに、フロア部分を二重構造にして着座位置を高くすることで、広い室内空間とともに優れた視界や高い開放感、自然な乗車姿勢を実現。乗降性も向上した。

 つまり、この画期的なパッケージングがワゴンR最大の特徴であり、同車の核となっているのだ。

 また、初期モデルは右1ドア、左2ドアの非対称デザインを採用。これは、ボディ剛性を確保するとともに、コスト削減を狙ったもの。約2年後には5ドアも追加され、利便性も高まった。

 今では軽のスタンダードになったトールワゴンだが、その礎を築いたのは紛れもなくワゴンR。軽自動車の新しい時代を切り拓いた先駆者なのだ。

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「コンセプトカーから生まれた斬新なクロスオーバー」 X-90

 2シーターオープンと聞けば、ユーノスロードスターやS2000、カプチーノなどのスポーツカーをイメージするだろう。しかし1995年にデビューしたX-90は、2シーターオープンにして初代エスクードのシャシーを用いたクロスオーバーSUVなのだ。

 1993年の第30回東京モーターショーに参考出品され、反響の大きさから市販化されたX-90。「見る楽しさ、乗る楽しさ、運転する楽しさ」を追求したというが、一番のセリングポイントはなんといってもコミカルなスタイリング。

 トランクを備える3ボックススタイルながら、短い全長と高めの全高でユニークなフォルムを作り出し、フロントマスクも愛嬌満点。

 さらに、脱着可能なガラストップを持つTバールーフ仕様となっており、SUVらしい泥臭さよりも可愛らしさのほうが強く表れているのだ。

 ただ、2シーターのインテリアは奇をてらったところがなく、ごく普通のコンパクトカーのよう。エクステリアに比べると非常にオーソドックスな趣になっている。

 一方、前述の通りシャシーは初代エスクードと共用のため、強固なラダーフレームにトランスファー機構付きの4WDを採用。本格オフローダー勝りの男らしいメカニズムだ。

 こんな個性あふれるキャラのX-90だったが、2シーターということも影響してか約3年間での国内累計販売台数は1300台程度にとどまった。

 とはいえ、2シーターオープンのクロスオーバーSUVなんて、今後お目にかかることはできないかも!?

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