日本国内における本格オフローダーとして、(国産メーカーとしては)唯一無二の存在であるトヨタ「ランドクルーザー」。悪路走破性、耐久性、信頼性を兼ね備え、国内外で圧倒的な人気を誇っているランクルだが、その牙城に、どうやら日産が再び挑むようだ。日産が、中東やオーストラリア、北米などで高い人気を誇る「日産パトロール(Nissan Patrol)」の日本市場再導入を検討しているというニュースが飛び込んできたのだ。
これまでトヨタ一強だった国内の本格クロカン4WD市場に、ついに本命の対抗馬が登場することになり、ワクワクしているファンは少なくないはず。はたして日産パトロールの実力とは!?? ランクルとの違いについてもご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】いよいよ日本導入決定!! 威風堂々な日産新型「パトロール」(9枚)画像ギャラリーランクルと並び称される唯一のSUV
日産「パトロール」は1951年に登場した日産の伝統あるフルサイズSUVだ。日本市場においても、かつて「サファリ」という名前で販売されていた。現行モデルは2024年9月に登場した第7世代(Y63型)だ。
パトロールは、特に中東市場で人気があり、パトロールの砂漠での走行性能と信頼性は、「トヨタランドクルーザーと並び称される唯一のクロカン4WD」とされるほど。またオーストラリアなどでは、道なき道を進むようなアウトドアユースにも重宝されており、その高い耐久性と牽引力には定評がある。
特に最新モデルであるY63は、全長5.3メートル超の堂々たるボディと、豪華な内装はもちろんのこと、オンロードの快適性や、オフロードでの走破性、本格クロカンとしてのタフさ、さらに、都市型SUVとしてのラグジュアリーさも兼ね備えている点が評価されている。
ランクルとパトロールは、方向性が違う
2024年9月に登場した新型パトロールのボディサイズは、全長5350mm、全幅2030mm、全高1945〜1955mmと、300系ランクル(全長4,950〜4,985mm、全幅1,980〜1,990mm、全高1,925mm)よりもひと回り大きく、トヨタの北米市場向けフルサイズSUVの「セコイア」並にデカい(全長5,286mm×全幅2,022mm)。
2+3+3の8人乗りと、2列目キャプテンシートの2+2+3の7人乗りが設定されており、パワートレインには、3.5LのV6ツインターボエンジンを搭載。最高出力425PS、最大トルク700Nmは、ランクル300のV6ターボエンジン(最高出力415PS、最大トルク615Nm)超えるスペックだ。
ボディサイズも大きく、エンジンスペックもランクルを上回るパトロールだが、ランクルとの最大の違いは設計思想だ。パトロールは、内装がインフィニティ(北米日産の高級ブランド)と同じ設計思想でデザインされているため、メーターはもちろんフル液晶タイプで、14.3インチの巨大モニター2枚が並ぶなど、「プレミアムSUV」を意識した仕上がりとなっている。「どんな環境下でも走れる」を信条に、オフロード性能を主に重視した設計となっているランクルとは、方向性が若干違うのだ。
パトロールも本格的なオフロード性能(ラダーフレーム)を有してはいるのだが、全体としては快適性やラグジュアリー性に振っており、特に上位グレードにはエアサスを採用し、車高調整機能によって乗降性と乗り心地を高めている。価格帯もまったく違い、パトロールはおそらく「砂漠のロールスロイス」ことレンジローバーを目標としているのだろう。パトロールは、「シティでもオフロードでも乗れる高級SUV」としての個性を際立たせたモデルなのだ。
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