かつて日本のマツダやアメリカのフォードと提携し、コンパクトカーなどを製造販売していた韓国のキア。2013年には日本から撤退しているが、2026年、EVバン「PV5」での日本再上陸が決定。日本における本格商用EVの先駆者となるか!?
※本稿は2025年3月のものです
文:角田伸幸/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
日本の商用EV市場に目をつけた!?
本格的な商用EVがなかなか登場しない。こんな日本市場を見透かしたのか、韓国キアが商社の双日と組んで再上陸を果たした。
キアといえば、おじさん世代は2代目ロータス エランのOEMであるビガートや、フォードのフェスティバ5を思い出す。しかし今回は「畑」が違う。ハイエースをモダンにしたような電動コマーシャルバンで勝負するのだ。
このクルマ、英数字を多用するキアのルールに倣って「PV5」と呼ぶ。全長4.7m、幅と高さが1.9mというから、ハイエースの標準ボディをちと幅広にしたイメージだろうか。多人数乗車を想定した「パッセンジャー」と貨物用の「カーゴ」があり、カーゴには全高2.2mのハイルーフ仕様もある。
ベースとなるプラットフォームだが、親会社であるヒョンデが開発したE-GMPを使う(アイオニック5と同じ)。この車台はスケートボードのように真っ平なフロアが特徴で、PV5もそれを活かしたさまざまなバリエーションを用意している。
たとえば多人数送迎の場合は3列シートを自在にアレンジし、2+2+2や1+2+2、2+0+3といったレイアウトが可能だ。
貨物用としては完全フラットなデカい荷室が魅力だが、注目したいのがアウトドア用途。空間の広さをキャンピングカー架装業者にもアピールするというから、近い将来、使い勝手のいい電動キャンパーがデビューするかもしれない。
PV5は優れた電子アーキテクチャも備えており、ネットを通じた複数車両の運行管理や冷凍庫の温度制御、家電との連動といったサービスも可能だという。
見た目もクールなPV5。日本の商用車市場に新たな波を起こすかも!
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