【マツダ地獄を繰り返すな!】販売低迷でも大幅値引きをしない理由

主要モデルの販売台数は?

月販目標台数2500台に対し、2019年10~12月の月販平均台数は2814台とまずまずのスタートを切ったCX-30
月販目標台数2500台に対し、2019年10~12月の月販平均台数は2814台とまずまずのスタートを切ったCX-30

 ここで、2019年1~12月における主要モデルの販売台数を見ていこう。まず10月24日に発売したCX-30は2019年12月25日までのおよそ2カ月で受注台数が1万2346台と発表、月間販売台数2500台の約5倍という好調な滑り出しとなっている。

 CX-30の月毎の販売台数は、2019年予約受注が始まった9月は627台、発売となった10月は2525台、11月は2690台、12月は3226台と月販平均は2814台だから、まずまずといえる。2020年1月16日にはSKYACTIV-X搭載グレード( 329万4500円~)も追加されたので、これを弾みにしてさらに伸びてほしいところだ。

 マツダ2はデミオからネーミングを変更した2019年9月からの販売台数は、9月4871台、10月2080台、11月1948台、12月2114台で、月販平均が2753台だから、デミオの時の3500台規模に比べると明らかに減っている。

 この理由として、首都圏にあるマツダディーラーの営業マンは、「ネーミングを変えてマイナーチェンジをしたが、中身はほとんど同じでモデルそのものは古いから(2014年9月発売)、売れ行き不振になるのは当然」と打ちあける。

 従来のアクセラからフルモデルチェンジを機に車名を変更したマツダ3の2019年5月から12月までの販売台数は、5月1682台、6月1591台、7月3668台、8月3916台、9月7533台、10月1891台、11月1588台、12月2793台。月販平均が3082台でアクセラの時の過去1年間における1500台規模に比べると倍増。

マツダ3は019年12月5日に発売されたSKYACTIV-Xが追加されて大躍進するかと思ったが、2793台にとどまった。2020年1月以降の販売がどうなるのか気になるところ
マツダ3は019年12月5日に発売されたSKYACTIV-Xが追加されて大躍進するかと思ったが、2793台にとどまった。2020年1月以降の販売がどうなるのか気になるところ

 堅調といえるが主軸モデルのひとつとしてはもう少し頑張ってもらいたいところだ。2019年10、11月は2000台ラインを下回る推移、12月は2793台と少し伸びたものの、今後の厳しさを示しているといえるかもしれない。

 3列シート仕様のSUV、CX-8は2019年1~12月の月販平均が1941台で前年同期に比べて24.1%もの大幅なマイナスとなっている。

 2017年9月14日に発売してから、3年目に入っているのでモデルの陳腐化が足かせになっている。10月525台、11月953台、12月1822台と、特に2019年10月以降の販売台数激減が響いた。

 CX-5は2019年1~12月の月販平均が2628台で前年同期比17.6%減とやはり大幅なマイナス。現行モデルの登場が2016年12月15日で2018年10月11日にはマイナーチェンジを実施し、一時販売を回復したが、1年経過でまた頭打ちになっている。

 コンパクトSUVのCX-3は2019年1~12月の月販平均が824台で前年同期に比べてこれまた42.0%もの大幅なマイナス。こちらは2021年にもCX-30に統合して生産中止となる可能性がある。

2019年9月以降販売が激減しているCX-3。9月207台(15.8%)、10月1387台(63.5%)、11月417台(26.8%)、11月335台(23.2%)、12月253台(26.5%)と低迷を続けている。カッコ内は対前年同月比
2019年9月以降販売が激減しているCX-3。9月207台(15.8%)、10月1387台(63.5%)、11月417台(26.8%)、11月335台(23.2%)、12月253台(26.5%)と低迷を続けている。カッコ内は対前年同月比

 アテンザは2019年7月4日のマイナーチェンジを期に「マツダ6」に車名変更したが、販売台数は不振のまま。

 7月434台、8月589台、9月641台、10月249台、11月242台、12月185台と、月平均は380台とアテンザの時とほとんど変わらない不振の実績。モデルそのものが古く、世代交代の時期に来ているためでもある。

アテンザは2019年7月4日のマイナーチェンジでマツダ6に改名。2019年の販売台数はアテンザが2340台、マツダ6が3028台。マツダ6(2019年7~12月)の月販平均は380台
アテンザは2019年7月4日のマイナーチェンジでマツダ6に改名。2019年の販売台数はアテンザが2340台、マツダ6が3028台。マツダ6(2019年7~12月)の月販平均は380台

 マツダの2019年にける新車の総販売台数は20万3580台で前年に比べて7.8%のマイナス。これは業界全体の1.5%減を6.3ポイントも下回っている。

 前述の中心車種が軒並み販売不振状態のためといえるだろう。その要因は古いモデルが多いのと、価格政策の間違い、値引き幅が少ないことによる価格競争力のダウンなどが上げられる。

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