【冬場の正しいエアコンの使い方】最適な温度設定は20度が正解!?

吹き出し口の設定にも注意が必要

エアコンの吹き出し口の位置は夏場と冬場では違うという
エアコンの吹き出し口の位置は夏場と冬場では違うという

 吹き出し口の設定も大事だ。冷房なら上半身や顔に冷風が当たるようダッシュボードの上部ダクトを選択すればいいが、暖房ではのぼせる。

 直接頭部に温風が当たるのは避けるべきだろう。ダッシュ上部と足下の吹き出し口を同時に選ぶことで頭寒足熱モードとなるクルマは多い。

 もしくはフロントウインドウ手前と足下を選んで、曇り止めと頭寒足熱を両立させるのもアリだ。「頭寒足熱」は睡眠や健康に良いとされてきただけでなく、クルマの運転にも重要なことなのである。

 暖房は足だけを暖めればいい、という訳ではない。しかし実際には温風は対流によって上昇するから自然に室内全体を暖めることになる。

 その時、フロントウインドウ手前から吹き出す風やダッシュボードのダクトから乗員に向かって吹き出すのも温風であると、顔がほてるだけでなく、のぼせて頭がボーッとしてしまったり眠気を起こしやすいのだ。

暖房は燃費に影響するのか?

 暖房は、エンジンの廃熱を利用しているので燃費にあまり影響しないが、エアコンの冷房で使われるコンプレッサーはエンジンで動かしているので、そのぶん燃料を使い、燃費も悪くなる。

 暖房の送風の強弱による燃費への影響もそれほどはないが、朝方冷えている時に車内を暖かくするための暖機運転と高温および強い送風の設定はこのかぎりではない。

 EVやHVに使われているコンプレッサーはエンジンの動力でなく、電気で動かす電動コンプレッサーを搭載しているが、EV、そしてHVやPHVのEVモードの場合は暖房時にエンジンの廃熱が利用できないため、電気ヒーターを搭載している。このため暖房時の燃費はガソリン車と比べると大きく悪化する。

 こうしたことは航続距離にも影響するため、最近の車種では外気の熱エネルギーを利用するヒートポンプ方式が採用されている。

 ただ、外気温が低いと、そのぶん冷媒との温度差が小さくなり、ヒートポンプによる暖房能力は低下するため、HVでは、外気温が0度前後になると自動でエンジンが始動し、ガソリン車の暖房方式に切り替わる。

まとめ:冬場の最適な温度設定は?

高めの温度設定で暖房のON/OFFを繰り返すのは避けた方がいい
高めの温度設定で暖房のON/OFFを繰り返すのは避けた方がいい

 さて、冬場に最適な温度設定は何度なのか? 家のエアコン設定と同じく悩んでいる人が多いことだろう。

 エンジンをかけた後しばらくして車内が暖まってきたら、温度設定は20度に設定するのがよいだろう。

 高めの28度に設定して頻繁に暖房のスイッチをON/OFFにしている人がいるが、暑すぎたり寒すぎたりと温度の変化が激しく、体調を壊す原因にもなるので避けた方がいい。

 特に日差しが車内に降り注ぎ、冬の車内は温室のようになっている場合が多く、運転者の眠気を防ぐ意味でも車内は、あまり暖かくない方がいいのだ。

 後は窓を開けたり、着ているもので快適さを調整しよう。外気導入で室内の清浄性を保ち、眠気を防ぐことも大事だ。

 車内のウインドウが曇ってきたらデフロスターモードにして暖かい風をフロントガラスに当てて、曇りを除去しよう。

 マニュアルエアコンの場合は、デフロスターモードに切り替えて温度や風量を上げると、ガラス付近に設置されたエアコンの吹き出し口から暖かい空気が勢いよく出て、曇りを除去する。

 雨の日など湿気が多い場合には、外気導入モードから内気循環モードに切り換えた後に、ACボタンをオンにして車内を除湿することで、ガラスの曇りを素早く除去することができる。

 オートエアコンの場合は、デフロスターのスイッチを押すだけで、ACスイッチがオンになり、エアコンの吹き出し口から暖かい空気が出てガラスの曇りを除去する。

 ただ、自動的に外気導入モードになってしまうクルマもあるので、雨の日など湿気が多い場合は手動で内気循環モードにするとガラスの曇りを素早く除去できる。

【画像ギャラリー】クルマのヒーターとエアコンはどう違うのか?

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