クオリティ:上級サルーンに求められるインテリアの質感が高いのは?
ミドルクラスとはいっても、世界戦略車だから日本ではアッパーミドルクラスと見られている。それだけにクォリティには徹底してこだわりを見せた。
北米市場で人気のカムリは、水平基調のインパネに3眼メーターの組み合わせだ。シンプルなデザインだが、必要な装備は漏れなく付き、質感も高い。加飾パネルも品質感が高い。
メーターは主張が明快で、しかも表示がわかりやすい。だから走行中もラクに読み取ることができた。カギ型ゲートのセレクターレバーは操作にちょっと慣れを必要とするが、見栄えはいい。
アコードHVは先代より上質ムードのインテリアになった。こちらもカムリと同じように広さを感じさせるデザインだ。ナビとマルチインフォメーションを中心とした中央の操作系スイッチも工夫して使い勝手を向上させた。デザインはちょっとクセがあるが、見栄えはいい。
これら2車と比べると、アテンザとレガシィはちょっと物足りなく感じた。
アテンザはソフトパッドを採用しているが、メーターやスイッチ類は安っぽく、電動格納ミラーには夜間照明もない。
このアテンザ以上にさびしいのがレガシィだ。インパネはソフトパッドを廃し、樹脂パネルと割り切った。が、廉価グレードからパワーシートなのは評価できる。
●クオリティ採点…カムリ9点/アコードハイブリッド9点/アテンザ8点/レガシィ7点
パッケージング:室内&ラゲッジスペースの広さや使い勝手を徹底比較!
安全性能の向上を名目にしてボディサイズは世界的に拡大の一途をたどっている。この4車も例外ではなく、レガシィ以外は全幅が1800mmを超えてしまった。が、走っている時は、大柄であることを感じさせない。
カムリは、ボディサイズこそ大きいが、車両感覚がつかみやすいデザインだ。ガラス面積が広く、ピラー位置や天井を工夫している。視界がいいことと相まって、運転しやすい。前席だけでなく後席でも開放感があり、居心地がよく感じる。頭上、足元ともに余裕の広さで、足入れ性もいい。
ボディサイズは4車で最大だが、思ったほど広さを感じなかったのがアコードHV。ボディサイドの絞り込みが強いのが災いしているのだろう。ただし、シートはたっぷりとしたサイズで、後席も2人なら快適だった。
アテンザは実際には広いのだが、ちょっとタイトな印象だ。内装がブラック基調だったことに加え、スポーティなドライビングポジションになる。後席は満足できる広さだが、ドアアームレストの形状をスポーティ方向に味つけしたため中央寄りに座らないと落ち着かない。
これは4WDのレガシィにも言えることである。後席の膝元空間は余裕たっぷりだ。が、3人がけすると窮屈に感じた。居心地がいいのは前席。レガシィは生粋のドライバーズカーである。
トランクルームは、アテンザの広さと積みやすさが際立っていた。横方向だけでなく奥行きも文句なしの寸法だ。レガシィも4WDのハンディを感じさせない広さを確保している。床下のサブトランクも実用になる広さだ。
大柄なバッテリーを搭載するため、ハイブリッド車はトランク容量が少なくなる。だが、カムリは頑張った。バッテリーをシート下に収め、不満のないトランク容量を稼ぎ出している。床下収納やトランクスルー機構を採用しているのも加点ポイントだ。
アコードHVはライバルたちと比べると容量が少なく、パッキングには工夫が必要になる。
●居住性採点…カムリ 9点/アコードハイブリッド 8点/アテンザ 8.5点/レガシィ 8.5点



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