「あの頃」の超激戦区!! 9代目カムリ&アコードHV 3代目アテンザ 5代目レガシィB4…… 国産ミドルサルーン頂上対決2013!【ベストカーアーカイブス2013】

「あの頃」の超激戦区!! 9代目カムリ&アコードHV 3代目アテンザ 5代目レガシィB4…… 国産ミドルサルーン頂上対決2013!【ベストカーアーカイブス2013】

 アテンザ、アコードHVと話題の新車が登場し熱い視線が集まるミドルサルーン市場。さらに改良されたカムリHVが加わりますますヒートアップしそうだ。レガシィB4を加えた人気4台の燃費、動力性能から質感まで徹底比較。優雅に乗れて機敏に走れるのはどれだ!?(本稿は「ベストカー」2013年10月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文:片岡英明、写真:茂呂幸正、取材協力:群馬サイクルスポーツセンター

【画像ギャラリー】カムリ改良で勢力図に異変!? アコードHV、アテンザ、レガシィB4…… 国産ミドルサルーン頂上対決!(29枚)画像ギャラリー

実用燃費:カタログデータではわからないHV、ディーゼルの本当の燃費

トヨタ カムリ、ホンダ アコードハイブリッド、マツダ アテンザ、スバル レガシィを比較。日本が世界に誇る燃費がいいのは? 走りがいいのは?そして上質なセダンはどれだ!?
トヨタ カムリ、ホンダ アコードハイブリッド、マツダ アテンザ、スバル レガシィを比較。日本が世界に誇る燃費がいいのは? 走りがいいのは?そして上質なセダンはどれだ!?

 今回テストしたのは、日本が世界に誇るミドルクラスの戦略車4台だ。

 カムリとアコードは北米を中心に絶大な人気を誇り、幅広い年代の人たちに愛されている。

 日本では4気筒のアトキンソンサイクルエンジンを積むハイブリッド専用車とし、卓越した動力性能と良好な燃費を両立させた。カムリは2.5L、アコードHVは2Lだ。

 アテンザは2.2Lのクリーンディーゼル(ターボ)で受けて立つ。しかも6速MTだ。もう1台はレガシィで、2l直噴DOHCターボを積む2.0GT DITアイサイトを持ち込んでいる。

 アップダウンがあり、コーナーが連続する6kmのコースをちょっとハイペースで走り、燃費を計測してみた。

 最もよかったのは、意外にもアテンザのディーゼルターボだ。低回転域から発生する4Lクラスの分厚いトルクを生かして15.5km/L(いずれも燃費計でのデータ)の好燃費をマークしている。静粛性や振動の面でライバルに差をつけられているが、実用燃費はすばらしい。

アップダウンのあるコースではトルクのあるアテンザDEが善戦
アップダウンのあるコースではトルクのあるアテンザDEが善戦

 アテンザに次ぐ燃費を記録したのは、2モーターを採用するとともにEVモード走行も可能になったアコードHV。15.0km/Lを叩き出している。が、排気量で500cc大きいカムリも負けてはいない。14.5km/Lと、アコードHVとほとんど差のない好燃費をマークした。

 カムリは上りのステージでも元気だ。アコードHVより排気量が大きいため実用域のトルクが太いだけでなく、車両重量も70kgほど軽い。だから急な坂道も苦にしなかった。また、なだらかな坂でも余裕が感じられる。

 4位は4WDのレガシィB4だ。辛うじて二桁の10.1km/Lを記録した。アイドリングストップがないため、市街地走行での上乗せは期待できない。が、飛ばした時の気持ちよさは格別だ。

 2回目はエコモードを使い、燃費を意識して走ってみた。トップはアコードHVで、驚異的な23.5km/Lを叩き出している。これに続くのがカムリだ。22.8km/Lと、アコードHVに肉薄し、THS(トヨタハイブリッドシステム)IIの底力を見せつけた。3位はアテンザで19.5km/L、最下位は13.7km/Lのレガシィだ。

HVの直接対決は僅差。カムリは市街地、アコードは高速に強い
HVの直接対決は僅差。カムリは市街地、アコードは高速に強い

●実用燃費採点…カムリ 9点/アコードハイブリッド 9.5点/アテンザ 8.5点/レガシィ 7点

走行性能:パワー感&ハンドリング。走りの実力を徹底比較する

300psのターボを搭載したレガシィの加速は、このクラスでは抜けている。ビルシュタインのショックを採用した足回りもスポーティだ
300psのターボを搭載したレガシィの加速は、このクラスでは抜けている。ビルシュタインのショックを採用した足回りもスポーティだ

 カムリは、走行ステージに関わらず余裕たっぷりの走りを見せた。アクセルを踏み込むと、瞬時にパワーを生むモーターの特性によって間髪を入れず力強い加速を引き出すことができる。

 バランスシャフトの採用と相まって、滑らかさは6気筒と遜色ない。また、最新モデルはエンジンが始動した時のショックと振動が上手に抑えられていた。

 アコードHVもカムリに迫る軽やかな走りを披露した。気持ちいい加速を見せ、応答レスポンスもシャープだ。カムリ以上にモーターの存在感が強く、スピードを上げていっても切れ味鋭い加速を引き出せた。ただし、車格に対しエンジン音が安っぽく感じるのが惜しい。

 アテンザのディーゼルターボは低回転域から厚みのあるトルクを発生し、その気になれば刺激的な加速を満喫できる。ハイブリッド車を凌ぐほどパンチ力があり、楽しいが、振動とノイズに代表される快適性能はハイブリッド2車に一歩及ばない。

 レガシィの2l直噴ターボは低回転域のトルクは細いが、2000回転あたりからターボが威力を発揮し、胸のすく加速だ。

カムリのモーターアシストによる加速は想像以上にパワフル。ネコ足とも評された足回りにより、上品な走行フィーリングを見せる
カムリのモーターアシストによる加速は想像以上にパワフル。ネコ足とも評された足回りにより、上品な走行フィーリングを見せる

 ハンドリングは、カムリがファミリーカーらしい素直な操縦性を前面に押し出し、ほかの3車はスポーティな味わいを前面に押し出した。

 カムリで特筆したいのはパワーステアリングの洗練度が高いことだ。また、バッテリーの搭載位置と重さが正確なハンドリングと上質な乗り心地を生み出していた。ファミリーユース主体の走りでは実に扱いやすい。

 アコードHVは応答フィールがカムリよりシャープで、身のこなしは軽やかだ。軽快感ではアコードを凌ぐ実力のアテンザだが、19インチタイヤが乗り心地を損ねていた。

 レガシィは他の3車とは別物で、全身スポーツ感覚だ。その半面、粗さも目立っている。

●パワー感採点…カムリ 8点/アコードハイブリッド 8.5点/アテンザ 8.5点/レガシィ 9.5点
●ハンドリング採点…カムリ 9点/アコードハイブリッド 8.5点/アテンザ 8.5点/レガシィ 9点

次ページは : クオリティ:上級サルーンに求められるインテリアの質感が高いのは?

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