愛車の色褪せを、まるでジーンズにように愛着のわく現象ととらえられる人には関係のない話。しかし、多くの人は色褪せた愛車を見るとガッカリするだろう。そこで今回は「色褪せ」について。
文/山口卓也、写真/写真AC、アイキャッチ画像/Takahiro@Adobe Stock
【画像ギャラリー】色褪せを防ぐためのコツは?(8枚)画像ギャラリークルマの色褪せはなぜ起こるのか?
長くクルマを所有している人のなかには「最近、なんとなく愛車に輝きがなくなってきた気がする……」「買った当初はもっと深みのある色だったのに……」と感じている人がいるかもしれない。
それは、塗装面の劣化、特に一番表層にあるクリア層の劣化によって色褪せが進んでいる状態と思われる。
昔のクルマに比べると現代のクルマの塗料は品質が向上しており、買って数年で色褪せることはあまりない。
しかし、クルマは常に紫外線、工場・クルマなどの排気ガスによる酸性雨、虫や鳥のフンなどのアルカリ性の付着物にさらされており、徐々に塗装面は劣化していくもの。
また、長年にわたる洗車キズや走行時に受ける砂や金属片などによるキズは、本来のボディカラーの色ツヤに大きな影響を与えてしまう。
さらに、洗車後にきちんと拭き取らなかった水分はその後、イオンデポジットと呼ばれる白い水アカとなって塗装面を傷めてしまう。
よって、長く乗っているクルマの色褪せはある意味避けられないことでもある。
ボディカラー・塗料の種類によって色褪せ具合に違いが!?
クルマの塗装の多くは「下塗り」「中塗り」「上塗り」「クリア」の4層構造となっている。「なんとなく白ボケた感じ」を受けるのは表層面のクリアが劣化して剥がれてきていることが原因だが、さらに劣化が進むとカラー面にもダメージが及んでしまう。
⚫︎色褪せしにくい色=紫外線を吸収しにくい色
一般的に一番色褪せしにくい色としては紫外線を吸収しない白が有名。最近多い淡いベージュ、シルバーなども紫外線を吸収しにくいため色褪せしにくい。
逆に、もっとも色褪せしやすい(=紫外線を吸収しやすい)色として知られるのは黒。
黒は紫外線や赤外線を吸収しやすいため塗装面が高温になりやすく、塗装面の劣化をより早めてしまう。
また、汚れやキズが目立ちやすく、洗車やワックスがけなどの「手間」を惜しむ人にあまり向いていないといえるだろう。
次に色褪せしやすいといわれるのは赤。
郵便配達の赤いクルマを見るとわかるが、「こんなに劣化するの?」というレベルのまるで朱色のようなクルマが多く走っている。さらに、有名イタリアンブランドのロッソカラーも色褪せしやすいといわれている。
また、同じような色でも塗料の種類によって劣化具合は変わってくる。
⚫︎色褪せしにくい塗料の種類=メタリックやパール系
クルマの塗料は大きく分けて4種。
単色の塗料の「ソリッドカラー」、マイカ(雲母)を使った「マイカカラー」、塗料にアルミニウムを含む「メタリックカラー」、より細かなマイカを使った真珠のような輝きの「パールカラー」がある。
メタリックカラーやパールカラーは紫外線や赤外線による高温に強く、色褪せしにくいといわれている。
そうなると、ソリッドカラーの黒や赤が最も劣化に気をつけなければならない色、メタリックやパール系の白やシルバーなどはそれほど劣化に神経質にならなくていい色といえるだろう。









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コメントの使い方欧州でのコーティングの主流は、ポリマー系です。(ガラスコートハ10年前の話)現在のポリマーコートは水性でありながら、最後は水を流して硬化させると言う優れモノ。