1971年にハードトップピラーレスを採用したダイハツ フェローMAX。このおどろきの軽2ドアハードトップ、衝突安全が今ほど厳しくない時代とはいえ、ガチのピラーなし。しかも360ccで40ps!? 小さなボディに大きなチャレンジ、これはホントにスゴかった!
文:小鮒 康一/画像:ダイハツ、ホンダ、スズキ、三菱
【画像ギャラリー】ネオクラに負けないアツさ!! フェローMAXが、ホンダ Zが! そしてフロンテクーペやミニカスキッパーGTが! 綺羅星のごとく輝いた1970年代の軽自動車たち!(18枚)画像ギャラリー軽自動車にピラーレスハードトップ!?
今ではすっかり姿を消してしまったピラーレスハードトップ。これは年々厳しくなる衝突安全基準に対応するためには致し方ないと言えるだろう。
というのもタントやN-VANのようなピラーレスモデルも実はドア側にピラー同等の補強材が埋め込まれているため、そちらで衝突時の強度などを保っているのだが、ピラーレスハードトップは本当にピラーがないため、この状態で強度を保とうとするとかなりのコストを投入することが必須となってしまうからだ。
しかし、まだそんなに衝突安全基準が厳しくなかった1970年代、軽自動車にもピラーレスハードトップモデルが存在していた。それがダイハツのフェローMAXというモデルである。
遅れて投入された軽自動車初のピラーレスハードトップ
フェローMAXは1970年4月に登場したモデルで、フェローの後継車種として新たに“MAX”を追加してリリースされた。デビュー時は2ドアセダンと3ドアバンというボディタイプでリリースされたが、1971年8月に2ドアハードトップモデルが追加されたのだ。
これは1970年10月に登場した初代ホンダ Zが軽スペシャリティカーとして登場したことに対抗するもので、Zにない特徴としてピラーレスハードトップを採用していたというワケだ。ちなみにホンダZも1972年11月にピラーレスモデルを追加し、バチバチのライバル関係を形成していた。
そんなフェローMAXはピラーレスハードトップを採用しただけでなく、360ccという排気量で、当然ながら過給機なども備わらないにもかかわらず、40psという高出力を叩き出したツインキャブモデルをラインナップするほか、ハードトップモデルの最上級グレードであるGXLにはツインキャブエンジンに加えてフロントディスクブレーキやラジアルタイヤ、レザートップなどクラスを超えた装備が多く搭載されていた。
ただ、その後は排出ガス規制などの影響もあってパワー競争に終止符が打たれ、ツインキャブモデルも廃止。1976年1月に軽自動車規格が改定されてボディサイズと排気量の拡大がなされると、5月には550ccエンジンと大型バンパーを装着したフェローMAX550を追加するとともにハードトップモデルが廃止となり、1977年7月のマイナーチェンジではボディ幅を拡幅し、「MAXクオーレ」へと車名を一新してフェローの名前は途切れることとなったのだった。




















コメント
コメントの使い方フェローMAXハードトップ、いいですね。背伸びしてて健気で大好きです。