ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は2013年11月の一部改良とともに新設定された、初代アクアのスポーツコンバージョン車シリーズ「G SPORTS(通称G’s・ジーズ)」をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年5月26日号に掲載した記事の再録版となります)
写真:平野 学/取材協力:東京トヨペット
専用エクステリア&装備満載で12月から6600台を販売!
アクアは2013年11月26日にマイナーチェンジ。JC08モード燃費を最大37.0km/Lにして登場。フィットハイブリッドから燃費キングの称号を奪回したが、エクステリアの変更はほとんどゼロに近かったため、意外にも買い控えが目立ったという。
そんなアクアでいま熱いのがマイチェンと同時に追加されたG’s。
12月9日に販売を開始し、2週間で2200台を販売したのを皮切りに、3月の最終週までに約6600台を販売。アクアG’sはG’s史上最大のヒットモデルとなっている。
何よりもエクステリアが刺激的。燃費がよくて、万人受けするデザインのノーマルアクアとまったく違うエクステリアは迫力満点。大きな開口部のフロントグリルは横桟のルーバーが張り巡らされ精悍な顔つきに仕上げられている。
いっぽう足回りに目を移すと専用デザインの17インチアルミが鈍い光を放っている。
ノーマルが15インチだから2インチアップさせている。タイヤはノーマルが燃費重視のエコタイヤが必須なのに対し、ブリヂストン製のポテンザRE050が組み合わせられるのは大きな違い。
このアクアG’s、専用パーツがふんだんに奢られているのもポイント。
前述のフロントバンパーには、LEDのラインビームが標準装着され、リアバンパー、サイドスカートもスパルタンなデザインとなっている。
そして忘れちゃいけないのが、G’sの専用チューニングが施されたサスペンション。走りについては後述するが、25mmローダウンされているのもノーマルのアクアとの大きな違いだ。
インテリアでは、高級車に好んで使われるピアノブラック塗装のパーツを多くの場所にあしらって高級感を好演出。
街乗りも快適! 気になる燃費はどうだ?
では、走りはどのような違いがあるのか?
ノーマルアクアは、パンチ力こそないが、キビキビとしたハンドリングで、意外な実力派として知られているが、G’sに乗り込みひと転がししただけで、ボディのしっかり感を体感。
アクアに乗ったことのある人なら、アクアってこんなにガッチリとしてたっけ? と驚くこと間違いなし。
それもそのはず、大幅にボディ補強されているのだ。エンジンにはいっさい手を入れていないので加速感は変わらないが、走りの質感はまったく別物。
サスはノーマルよりは締め上げられていて硬めだが、ガチガチのサーキット仕様というのではなく、縮み側と伸び側の両面をファインチューニングしているから、街中での乗り心地もフラットで快適。胃袋が動くようなゴツゴツ感は皆無。
ハンドリングも自在で、ワインディングをギンギンに攻めたくなる仕上がりだ。
走りの進化にタイヤの効果は絶大で、グリップ感、サイド剛性ともゴキゲンだ。ハイブリッドの走りはつまらない、と思い込んでいる人は驚くはず。
G’sは持ち込み車検となるためJC08モード燃費を公表していない。若干の車重アップ、タイヤサイズの変更などがあるため実燃費が気になる。
短い距離ながら試してみたところ、一般道で22km/L、高速で24km/Lと不満のないデータをマーク。
そして大大大注目なのが価格で、ベースのGに対して約26万円高というのは超絶な買い得感がある。見てよし、乗ってよし、そして安い! と三拍子揃っている。売れて当然なのだ。
唯一の弱点が納期がベースモデルよりも若干長いこと。持ち込み車検となるが、エコカー減税などの優遇税制は受けられるので安心を!


























コメント
コメントの使い方現行アクアのGR sportは、特に煮詰められ、全車これが標準でもいい好バランスを持ちつつ、僅かに重くなってもそれを感じさせないモーターの力強さと軽快なレスポンスがあります。
それと比較すると、先代G’sは良くも悪くも体感しやすい引き締まりがあり、速度出すにはアクセルをしっかり踏み込んでエンジンパワーを得る必要があります。
一方、一目で分かるアグレッシブな外観や、スポーティな低さは先代だけのもの。