ほとんどのクルマの鼻先に装着されるエンブレム(ロゴ)。多くの場合そのクルマのメーカーを表すロゴだが、もちろんそのロゴには意味がある。今回は、海外メーカーをメインにロゴの由来を見ていくことにしよう。
文/長谷川 敦、写真/アウディ、アキュラ、アストンマーチン、アルファロメオ、インフィニティ、キャデラック、ビュイック、ランボルギーニ、ルノー、レクサス
【画像ギャラリー】メーカーロゴマークの由来を探る(11枚)画像ギャラリー欧州メーカーのロゴは個性強め?
●アルファロメオ
イタリアのアルファロメオは、かなり凝ったデザインのロゴマークを使用している。
このロゴは同社の創業の地であるミラノにちなんだもので、円形ロゴ内の左にはミラノ市の「聖ジョルジョの十字」が描かれ、右側には人を飲み込もうとする大蛇を配置するという、とらえ方によっては少々物騒なもの。
しかし、この大蛇のデザインはミラノの由緒ある貴族ヴィスコンティ家の紋章であり、伝統を重んじたデザインであるのは間違いない。
●ランボルギーニ
雄々しい牛が描かれているのがイタリアのランボルギーニ社のロゴマークの特徴だが、このロゴは同社創業者のフルッチオ・ランボルギーニに由来しているという。
スペインで行われている闘牛の世界を愛していたフルッチオは、自動車メーカーを創業するにあたり、闘牛の俊敏性と力強さ、そして不屈の精神の意味をロゴデザインに込めたとのこと。
実際にランボルギーニ社のモデルには闘牛にちなんだ名称を持ったものが多い。
●ルノー
フランス・ルノーのロゴは菱形形状をしているが、この菱形ロゴが登場したのは1925年と今から100年も前のことだ。
1899年からの歴史を持つルノーでは、菱形以前は円形をベースにしたロゴを採用していた。
この時代のフランスではクラクションをフロントボンネット中央に配置された保護グリルに設置することが義務付けられていて、円形ロゴは車体中央で二分されるかたちで取り付けられていた。
当時のルノー車のボンネットはシャーブなシェイプをしていて、この形状にフィットするよう円形のロゴが徐々に菱形へと変化していった。
菱形ロゴはルノーの象徴として定着し、その後細部は変化するものの、現在でも基本的なデザインは変わっていない。
●アストンマーチン
イギリスの高級車メーカー・アストンマーチンのロゴマークは翼をモチーフにしている。
スピードと自由を象徴した翼のロゴは時代とともに変化したが、その意味は変わらず、現在のロゴは2022年に登場したもので、翼を簡略化してよりモダンなスタイルになった。
翼の形状自体は、古代エジプトで神聖視された昆虫・スカラベを象徴したものであり、歴史と新生を表している。
●アウディ
4つのリングが横に並んだアウディ(ドイツ)のロゴマークは、シンプルながらそれを見た人に強い印象を残す。
このロゴにも由来はあり、それはアウディというメーカーの成り立ちを表している。
アウディ自体の歴史は1899年からスタートしているが、20世紀に入るとドイツには多数の自動車メーカーが誕生し、アウディが所在するドイツのザクセン州にはほかにも3社が存在していた。
そこで1932年に、ザクセン州の「アウディ」「DKW」「ホルヒルヒ」「ヴァンダラー」4社が合併し、新たな自動車メーカー連合のアウトウニオンAGが生まれた。
つまりアウディの4リングスは、この時の4メーカー連合を意味している。
そして第二次世界大戦後に自動車メーカーの再編があり、長期間に渡る紆余曲折の結果、1985年にアウディとしての再出発がスタートした。
4メーカー連合ではなくなったものの、4リングスは現在でもアウディのロゴマークとして使われている。
















コメント
コメントの使い方ランボルギーニの雄牛は、フェラーリの馬に対抗しての由来、もしかしたら今でいうところのフェイクだったのかな?でもそのほうがドラマティックだよね
有名な話も多いですが、アストンマーティンがフンコロガシ由来というのは、知らない人も結構いますね。
ビュイックのロゴが数年前に変わったの初めて知りました。デザイナーの落書きを見つけたCEOが即変更までやってしまうのが米らしい。