米国「アフィーラスタジオ」を現地取材! 日本車ならではのアプローチに感じるテスラにもベンツにもない価値とは?

スタッフの熱意は太陽より熱い!

アフィーラ1のさまざまな技術、機能を体験した筆者。テスラにもベンツにもない価値を実感した
アフィーラ1のさまざまな技術、機能を体験した筆者。テスラにもベンツにもない価値を実感した

 続いて、ウェストフィールドからクルマで30分ほどのトーランス市に建設中のデリバリーハブを視察しました。

 10.8万平方フィート(約1万平方メートル)の敷地に、常設のアフィーラスタジオとデリバリーハブを建設中です。1万平方メートルといえば野球場のフィールドとほぼ同じ大きさで、想像以上に巨大な設備に投資しています。

 アフィーラハブは出荷前点検、充電、納車、品質解析、ショールーム機能などを備えています。これらの工程を最適化し、繊細な設計を極めていく姿勢には、日本車ならではのアプローチを感じます。

 特徴的なのは、顧客への納車を行うデリバリーに、広々とした8つの専用ブースを設けている点です。このようなきめ細かな納車の演出は、テスラやリビアンといった新興メーカーではほとんど実施されていません。

 アフィーラ1は、オンライン販売を主軸とした直接販売体制を採っています。そのため、購入前に試乗できる拠点は、重要な顧客接点となります。そして、納車は単なる引き渡しではなく、ブランド価値を浸透させるうえで重要な演出ポイントでもあります。

 ソニーホンダは、製造を外注する水平分業型アセットライトな企業ですが、このハブ設備に対する思い入れと資金投入には並々ならぬ熱意を感じました。モビリティの未来の事業に向けてゼロベースでその基盤を立ち上げようとするソニーホンダスタッフの熱意は、カリフォリニアの太陽よりも熱いものがありました。

 アフターサービスについては、全米38州に650を超える店舗を展開する「クラッシュチャンピオンズ」が対応します。同社はこの提携を通じて、新たなモビリティの時代に対応する点検や修理、板金塗装といった次世代のビジネスモデルの構築を模索しているようです。

 従来の自動車事業は販売、部品供給、サービスをディーラーがワンストップで提供するのが一般的でした。しかし、SDV(ソフトウェア・ディファインドビークル)へと進化するなかで、小規模設備での対応は難しくなり、各機能は分離され、専業化・大型化する方向に向かっています。

 メディアバーや多くのセンサーを搭載する車両の板金修理は、ますます複雑化しています。

 レーダーやLiDARなどのキャリブレーションにも対応する必要があります。アフィーラは、メンテナンスや車体修理をワンストップで提供していく利便性にも挑戦していると言えます。

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