真夏の炎天下に、タイヤのパンク・バーストが起きたらえらいことです。JAFの最新データによれば、夏季のロードサービス出動のうち、タイヤトラブルが2位となっています。さて、パンクした際に1本交換で良いのか、2本または4本まとめて替えるべきか? その判断基準と対策をわかりやすく解説します。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:Nipon@Adobe Stock)
真夏の多いタイヤのパンク、バースト、なぜ起きる?
JAFの2024年度お盆期間(8月10日〜19日)における高速道路でのロードサービスデータを見てみましょう。
2024年8月10日から19日までの高速道路での四輪救援件数は、全体で約1万4287件(全出動6万9059件中)でした。上位5つの理由は以下のとおりです(JAF発表データより集計)。
■JAF:2024年お盆期間(8月10〜19日)・高速道路における出動理由 TOP5
1位:過放電(バッテリー上がり):約9970件、約68.1%
2位:タイヤのパンク・バースト・空気圧不足:約3332件、約21.4%
3位:破損/劣化バッテリー:約613件、約4.3%
4位:落輪・落ち込み:約342件、約2.4%
5位:キーとじ込み:約330件、約2.3%
お盆期間の高速道路では、バッテリートラブルが約7割を占める一方、タイヤ関連のトラブルも2割超と高い割合で発生しており、10件中2件以上がタイヤトラブルという結果でした。
では、なぜ真夏の高速ではタイヤトラブルが急増するのでしょうか?
高速道路で長時間連続走行を行うと、空気圧不足のタイヤはたわみが増して発熱し、最悪の場合は破裂(バースト)につながります。
特に高速道路では「スタンディングウェーブ現象」が発生しやすく、トラブルリスクが一般道より高まります。このスタンディングウェーブ現象は、タイヤの空気圧が不足した状態で高速走行をすると、タイヤが波打つように変形する現象です。高速走行時にタイヤの変形が元に戻る前に次の変形が起こるため、波状に変形してしまいます
お盆や夏休み期間は長距離移動が増え、通常よりも連続走行時間が長くなります。特に渋滞中は走行と停止を繰り返しながら低速で進むため、タイヤが冷却されにくく熱がこもりがちになります。これが内部構造へのダメージを蓄積し、突然のパンクやバーストにつながるのです。
また、夏の旅行や帰省では荷物や乗員が増え、車両総重量が普段より重くなる傾向があります。積載量の増加はタイヤに大きな負担をかけ、摩耗や発熱をさらに促進します。とくに高速走行中の重量負荷は、タイヤ側面(サイドウォール)に過大なストレスを与え、トラブルのリスクを押し上げます。
このほか、タイヤのメンテナンス不足も原因のひとつです。夏場は空気圧が自然に上昇するため「空気圧チェックは不要」と思い込み、点検を怠るケースも少なくありません。
しかし、実際は季節や走行条件で適正空気圧は変わるため、事前の調整が欠かせません。こうした複数の要因が重なり、夏の高速道路では一般道に比べてタイヤトラブルの割合が大幅に高くなるのです。
■高速道路で起こりやすいタイヤトラブルの典型例
・タイヤのバースト(高速走行中の突然破裂)
・スローパンクチャー(徐々に空気が抜ける損傷)
・過積載によるサイドウォール破損
・ホイールナットの緩みからくる脱輪トラブル
・炎天下での長時間渋滞によるタイヤの極端な過熱
これらは予兆なく発生することも多く、事前対策が非常に重要です。






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