今季はラリー・スウェーデンで2位になった後、好成績を上げられないでいた勝田貴元が完全復活だ! 欧州のWRCでも1、2の人気を誇る超高速のグラベル(未舗装路)イベントで、僚友ロバンペラに次ぐ2位は素晴らしい結果だ! ラリー・フィンランドはトヨタが1位から5位までを独占! ユバスキュラの街はトヨタ祭りとなった。
文:ベストカーWeb編集 写真:TGR、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】WRC怒涛のトップ5独占!! ホームじゃゼッタイに負けたくない!! トヨタが魅せた意地と矜持!(7枚)画像ギャラリーシェイクダウンで最速タイムを記録し、リズムをつかむ
全線のラリー・エストニアではリタイアを喫し、8戦で3度のリタイアと不本意な戦いが続いて勝田貴元が「ホームタウン」ともいえるフィンランドで完全復活を遂げた。
2年前ラリー・フィンランドで3位に入った時も驚いたが、今回の2位はさらに価値があるものだ。地元のロバンペラにこそ負けたが、オジエやエバンスを上回る速さと安定感を見せたのだから!
なんといってもシェイクダウン(試走)でトップタイムを記録し、リズムをつかんだことが大きかった。今季はタイヤのフィーリングがもうひとつ合わず、セットアップが決まらないことが、成績が上がらない原因と分析していたが、チームは勝田貴元の速さを認めていており、いずれ復調すると見ていたようだ。
勝田はシェイクダウン後のコメントで「トップタイムはうれしいし、フィーリングもよくなってきた」と手ごたえを感じていたようだ。
安定した走りで徐々に順位を上げていく勝田貴元
初日のSS1こそ7位だったが、2日目金曜日のSS6は雨が降りトリッキーな路面になるなか、果敢に攻めトップタイムを奪う。勝田にとっては記念すべき50回目のステージトップだ。その後も粘って順位を4位にアップ。
3日目の土曜日は同じトヨタのオジエとエバンスと競り合う中、一歩も引かない戦いを見せる。ライバル、ヒョンデのヌービルとフォルモーがパンクで順位を落とし、2位に順位を上げた。
最終日は3位オジエの追撃をかわし、2位のままフィニッシュ。しかもパワーステージ2位、スーパーサンデー3位で走り、2位の17ポイントと合わせ24ポイントを獲得し、チームに大きく貢献した。
「最終SSでは100%プッシュしているわけではないのにタイムが出ていたのには自分でも驚いています。このような走りができれば、次のパラグアイやチリでもいい戦いができると思います」と本人が語るように尻上がりに安定した速さを見せたことで自信をつかんだようだ。
故郷に錦を飾るロバンペラ! 現地はトヨタ祭り状態!
優勝は地元フィンランドのロバンペラが完勝! ラリー・フィンランド初勝利をどれだけファンが待ち望んでいたことがわかる、すさまじいばかりの大歓声を浴びていた。
トヨタは1位ロバンペラ、2位勝田、3位オジエ、4位エバンス、5位パヤリとフィンランドはトヨタのお祭りになった。またWRC2クラスでは今季WRC初挑戦のラトバラが2位表彰台と貫録を見せ、ラリーチャレンジプログラム2期生の山本雄紀が5位フィニッシュと大健闘。次戦以降楽しみな結果を手にした。
なお、エストニアでWRC初優勝し、フィンランドはWRC2で戦ったオリバー・ソルベルグは2日目にクラッシュし、デイリタイア。ラリーに復帰するも47位に終わった。










コメント
コメントの使い方フィンランドは超高速ラリーで、刹那&臨機応変という最高の運転技術が求められる場。
もちろんそれに応えて安心して飛ばすには最高の車作りも必須で、だからこそ両者とも注目される場。
そこで日本人選手が、日本メーカーの車で2位という快挙は、もっと大きく報道されていいと思います。
車やラリーに詳しければ詳しいほど、類稀れなことが分かる偉業。