年式のわりに高値維持! かつて地味め…だったクルマが今、人気復活中!?

トヨタのセラは唯一無二の存在ながらもガルウイング以外の取り柄がなかった!?

フルモデルチェンジを待つ? それ損してるかも!? 今こそ現行ミドルサイズSUVに再注目だ
“とんでるセラ。”のキャッチコビーも印象的。“アンブレラではない。飛行機ではない。もちろん、普通の自動車でもない。”というカタログのコピーにも、まったく新しいコンセプトから生まれたクルマであることが見てとれる

 「走る喜び。人とくるまのトキメキ未来」をテーマに、トヨタならではの先進技術を盛り込んだコンセプトカーの数々が展示された1987年の第27回 東京モーターショー。そこでお披露目されたAXV-IIの生産型として、1990年3月にデビューしたのがセラだ。

 セラの最大の特徴となったのは、“あらゆる天候下でのオープン感覚の体験”を実現するために採用された特別なドア。

 ガラスをルーフまで回り込ませたドアは、ルーフ前端中央付近とAピラー根元近くの2点を支点として斜め前上方に開くバタフライドア(ガルウイングドア)が採用されたのだ。

 “日常生活の枠を超えた胸を躍らせるような体感”を狙って開発され、国産量産車では初めてガルウイングドアを採用したセラは、気温の変化に対してもドア開閉の操作力を常に一定に保つ新機構を採用するなど、きわめて扱いやすかったことも特筆すべきポイントであった。

 また、ARW(Acoustic Resonance Woofer:音響共振ウーハー)を含む10スピーカーシステムと新開発のDSP(Digital Signal Processor)を採用したセラ スーパーライブ サウンドシステム装着車を設定したり、全車にオートエアコンやパワーウィンドウを標準設定とするなど装備も充実。造形美豊かな室内デザインと相まって圧倒的な個性を放っていた。

 一方、エンジンは第2世代ハイメカエンジンシリーズ第2弾となるレーザーα-IIの16 バルブエンジンを搭載。低燃費・低中速域での高トルクとスポーティツインカムの特徴である高出力・高応答性を高い次元で両立したが、実用性の低さや走行性能の面でスポーティさが希薄だったことからセールスは低調に終わり、1996年に販売終了に。

 しかし、バブル時代の象徴ともいえるセラは現代のモデルにはない強烈な個性が人気となり、後にその名誉を回復。中古市場では下限こそ150万円前後からだが、状態の良い個体は200万円を超えることが多く、流通台数もきわめて限られている。

初代ホンダ シティのなかでも特に希少なカブリオレ 

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シティ・カブリオレは見た目のインパクトもさることながら、高効率を誇るニューコンバックスエンジンやハードタイプのプログレッシブコイルスプリングを前後に採用したサスペンションを装備するなど他にも見どころが多かった

 テレビで流れていた「ホンダホンダホンダホンダ」のフレーズが印象的だったCMソングと、新鮮かつ斬新なトールボーイデザインが強烈なインパクトを放った初代シティ。

 そのデビューは1981年11月で、クラストップレベルの優れた燃費と動力性能を発揮する新開発コンバックスエンジンを搭載したFFのニューコンセプトカーは大きな驚きをもって迎えられた。

 既成のクルマ概念にとらわれることなく、居住性や燃費、動力性能などクルマの機能を最大に追求しながら、一方でこれらを生みだすエンジン、サスペンションなどの機構が最小に設計されたシティは都会的な感覚を持つ行動派の若者に支持され、一躍人気者に。

 翌1982年9月には世界最小の1.2リッターターボエンジンやホンダ独自の電子燃料噴射装置(PGM-FI)などを採用したシティターボがデビューすると、1984年10月にはフルオープンカーであるシティ・カブリオレをリリース。

 特に、シティ・カブリオレは本格的なソフトトップと力強いアクセントをもつオーバーヘッドバーを装備した国産唯一のフルオープンカーとして大きな注目を集めた。

 ボディの基本構造やソフトトップのスタイリング・レイアウトなどは、イタリアのピニンファリーナ社から技術協力を受けたシティ・カブリオレ。

 しかし、ソフトトップはホンダが独自に開発した優れた耐候性をもつ素材で、同時に高い断熱性、防音性を有しており、開閉もスムーズかつ手軽に行えるものであった。

 さらに、独立したトランクルームや大切な書類などを入れておくキー付き車検証ポケットを設けるなど、誰でも気軽にオープンエアモーターリングを楽しめる配慮もなされていたが、1986年に生産が終了。

 デビューから40年以上経った今も状態の良い個体は当時の新車価格に匹敵、もしくはそれを上回る水準で取引されることもある。

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