高速道路上で物を落としたら道路交通法違反
落下物は、うっかり落としてしまったからといって、ただでは済まされない。落とし主の責任であり、転落させた場合、法律で罰せられるのだ。道路交通法 第75条の10に定められており、「3ヶ月以下の懲役、もしくは5万円以下の罰金、又は10万円以下の罰金」となる。
また第三者に損害を与えた場合、賠償責任も生じる。ドライバーの責任として、ロープでの固定、シートで積み荷を覆う、重さを均等に積載するといった落下物防止の措置を講じなければならない。
では、もし落下物と接触、もしくは走行中に発見した場合はどうするべきか?(自分で落としたケースも含む)
1/高速道路上、もしくはSA・PAに設置された非常電話で通報
2/料金所やSA・PAの係員に伝える
3/道路緊急ダイヤル(#9910)に電話をする。携帯電話からでも無料でかけることができるので、同乗者がいれば、走行中でも情報提供をしてもらいたい
続いて高速道路上で、落下物により交通事故が起きてしまった場合はどうなるのか? 高速道路上での落下物による交通事故の場合、過失割合は過去の判例を参考にすれば、前走車(積み荷を落下したクルマ)、後続車(被害を受けたクルマ)の割合は60:40となる。
後続車のドライバーは、納得いかない、自分は悪くないじゃないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、後続車の前方不注意、車間距離、速度などが問題になるため、後続車も過失を取られることになるのだ。
ただ、この割合については、事故発生のタイミングが夜間であったり、降雨などで視界が悪い場合、追い越し車線上での事故である場合は、落下物の発見や回避が容易ではなくなるため、積み荷を落下させた前走車の過失が上乗せされる可能性がある。
速度が遅い一般道では、落下物に気付いて急停止したり、進路を変えて避けることが高速道路よりも容易なことから、後続車のドライバーにも同程度の責任があると判断され、一般道の場合は落下物による交通事故は、50:50あたりが基準になるそうだ。
さて、落下物にはどんなものがあるのか? 各高速道路会社がまとめた、令和4年度の落下物処理件数は30.9万件も発生、1日平均では847件発生する計算だ。これは高速だけだが、国道も含めればさらに件数は増える。毎日どこかで落下物があり、誰もが落下物に遭遇する可能性・危険性があるのだ。
NEXCO中日本、NEXCO東日本から落下物はどんなものがあるのか? 脚立、トラックのタイヤ(ホイールを装着した状態)、折りたたみ椅子、仮設トイレ(し尿処理がなされていないもの)、プレハブ、ソーラーパネル、中古車(キャリアカーから落下したもの)、ミツバチの巣箱(ミツバチ数千匹入り)、マネキン、ワニのはく製。こんなものを落とすのか、あきれて何もいえない……。
高速バスのバス停でピックアップすることは道路交通法違反!
高速道路を走っているとたまにみかける高速バスの停留所。停留所近くの階段などで一般道へと接続しているが、停留所に入るための改札などはないことから、誰でも進入は可能。これを利用して、この高速バスのバス停で知人のクルマと待ち合わせ、拾ってもらう、ということをしている人もいるようだが、実はこれは道路交通法に違反する行為だ。
道路交通法第75条の8では、「自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、または駐車してはならない。」と規定されている。
例外として、「駐車の用に供するため区画された場所において停車または駐車するとき」や、「故障その他の理由により停車または駐車することがやむを得ない場合」、そして「乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき」は、認められている。
つまり、高速バス(乗合自動車)に限って、乗客の乗り降りのために停留所に停車もしくは駐車することが認められているもので、高速バスではない一般車が、故障などのやむを得ない理由もなく、駐車区画ではないバスの停留所で停車することは、道路交通法に違反する行為だから違反すれば、違反点数2点、反則金1万2000円(普通車)が科せられる。
したがって、一般車の進入すらしてはいけない。つまり、高速バス以外通行することはできないのだ。こちらも違反すれば違反点数2点、反則金7000円(普通車)が科せられる。眠くなったので通行し停車、渋滞時、このバス停を利用してショートカットをしていくクルマを見かけることもあるが、当然、違反行為となる。



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