トランプ大統領が何を根拠に「フォードF-150が日本で売れる!」そんなわけあるか!? 日本で売れるアメリカ車とは

フォードF-150の燃費は3.5Lのフルハイブリッドでも約11.1km/L

 搭載されるエンジンは2.7LエコブーストV6ツインターボ、3.5LエコブーストV6ツインターボ、3LV6ディーゼルターボ、フルハイブリッドの3.5LパワーブーストV6ツインターボ、高性能版ラプター用の5.2LV8スーパーチャージャーを用意。全車、10速ATを組み合わせている。

 さて、気になる燃費。最小排気量の2.7LエコブーストV6ツインターボで、市街地約8.5km/L、高速約11.0km/L、複合モード9.4km/L。3.5Lのフルハイブリッドは市街地約10.6km/L、高速約11.1km/L、複合モードで約11.1km/L。ラプター用の5.2LV8スーパーチャージャーは市街地約4.3km/L、高速約6.4km/L、複合モード5.1km/Lと極悪燃費ぶりを発揮。

フォードF-150スーパークルー・キングランチのコクピット。トランスミッションは10速AT
フォードF-150スーパークルー・キングランチのコクピット。トランスミッションは10速AT

 トランプ大統領は、一番売れていてメジャーなフォードF-150を例に挙げただけだと思うが、せめてSUVの車種を挙げるべきだったと思う。

 日本の道路事情には適さず、都内の駐車場には入らないボディサイズの大きさだけではなく、右ハンドルがない、正規ディーラーがなくサポート&メンテナンス体制がどうするのか、ないないづくしでお手上げ状態といっていいだろう。

■2025年1~6月 北米新車販売台数ランキング
1位:フォードFシリーズ/34万2971台
2位:シボレーシルバラード/23万9526台
3位:トヨタRAV4/20万2641台
4位:ホンダCR-V/18万2656台
5位:Ramピックアップ/14万4562台
6位:GMCシェラ/14万930台
7位:トヨタカムリ/12万9995台
8位:シボレーエクイノックス/11万1535台
9位:トヨタタコマ/10万9365台
10位:ホンダシビック/10万8338台

このアメリカ車だったら日本で売れる?

人気沸騰中のフォードブロンコ。2ドアが全長4412×全幅1928×全高1826mm、4ドアが全長4810×全幅1928×全高1854mm
人気沸騰中のフォードブロンコ。2ドアが全長4412×全幅1928×全高1826mm、4ドアが全長4810×全幅1928×全高1854mm

 1990年代から30年経った今、日本で売れるアメリカ車はなにか? ぶっちゃけ、日本人がアメリカ車に求めるものは、ボディの小ささや燃費のよさではないのだ。しかも低燃費、安全装備、クオリティ、価格……、はっきりいって日本車に勝てるはずがない。

 ここで、並行輸入車も含め、過去日本で売れたアメリカ車(フォードの欧州生産車を除く)を見ていきたい。ジープはラングラー、チェロキー&グランドチェロキー。フォードは、エクスプローラー、マスタング、シボレーはアストロ、タホ、ブレイザー、カマロ、コルベット、キャデラックSLS&STS、エスカレード、クライスラーはボイジャー、PTクルーザー、ダッジデュランゴ、チャレンジャーなど。これらのアメリカ車に共通するのは、「アメ車らしさ」なのである。

 一番の好例はジープラングラーである。ジープは2024年暦年で9633台、そのうちラングラーだけで3294台も売れている。

418HPを発生する3L、V6ツインターボエンジンを搭載するブロンコラプター。F-150のラプターは720HPの5.2L、V8スーパーチャージャーエンジンを搭載している
418HPを発生する3L、V6ツインターボエンジンを搭載するブロンコラプター。F-150のラプターは720HPの5.2L、V8スーパーチャージャーエンジンを搭載している

 ちなみに、今日本で売れることが確実なアメリカ車は、フォードブロンコではないだろうか。1966~1977年の初代アーリーブロンコを復活させたデザインで、2.3L直4のエコブーストターボ(275HP&420Nm)と2.7LV6ターボ(310HP/420Nm)に7速MTと10速ATを組み合わせる。アメリカでは爆発的に大ヒットし、中古車はプレミアム価格で売られているほどだ。特に高性能版のラプターは人気が出そうだ。

 そのほか、売れそうなアメリカ車を探してみた。フォードではSUVのエスケープ、ブロンコスポーツ、エクスプローラー(ただしボディサイズは全長5047×全幅2004×全高1768mm)、マスタング。繰り返すが、フォードジャパンは2016年末に日本から撤退している。

かつて日本でもベストセラーSUVだったフォードエクスプローラー(写真は2025年モデル)
かつて日本でもベストセラーSUVだったフォードエクスプローラー(写真は2025年モデル)

 GMは現在、正規インポーターのGMジャパンが、シボレー、キャデラックブランドを販売している。シボレーはコルベットのみ(カマロは2024年1月に販売終了)、キャデラックはSUVのXT4、XT5、XT6、エスカレード、EVのリリック。

 アメリカ本国のシボレーブランドのサイトを見ると、トラックス、トレイルブレイザー、エクイノックス(EVもあり)、ブレイザー(EVもあり)、トラバース、タホ、サバーバンと、コンパクトからフルサイズまでSUVはフルラインナップ体制を敷いている。

アメリカではコンパクトSUVとなるシボレートラックス(全長4537×全幅1824×全高1567mm)
アメリカではコンパクトSUVとなるシボレートラックス(全長4537×全幅1824×全高1567mm)

 日本で売れそうなシボレーはコンパクトSUVのトラックス(全長4537×全幅1824×全高1567mm)、過去に日本で販売したこともあるトレイルブレイザー(全長4890×全幅1900×全高1850mm)、2025年上半期で新車販売台数8位に入っているシボレーエクイノックス(全長4646×全幅1843×全高1688mm)までのサイズがデカすぎないSUVたちだろうか。とはいっても貿易摩擦を解消するほどの台数は稼げないのは火を見るよりあきらか。

かつてGMジャパンが販売していたシボレートレイルブレイザー(写真は2025年モデル)
かつてGMジャパンが販売していたシボレートレイルブレイザー(写真は2025年モデル)

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