2024年10月、軽商用BEVのN-VAN e:を投入したホンダ。あれから一年が経とうという2025年7月、ホンダが日本市場で勝負をかけるBEVの本命、軽自動車のN-ONE e:がいよいよ発売開始へ向けてカウントダウン。登場は2025年秋だ!!
※本稿は2025年8月のものです
文:ベストカー編集部/写真:奥隅圭之、ホンダ
初出:『ベストカー』2025年9月10日号
ホンダEVの大本命!?
●ホンダ N-ONE e:のポイント
・N-ONEにN-VAN e:のBEVユニットを移植した軽乗用車BEV
・プラットフォームはN-ONEをベースとしながら、BEV化でもユーティリティを損なわないパッケージングを実現
・一充電あたりの航続距離は270km以上
少なくとも現在の日本国内における電気自動車(BEV)の現実的な正解は、軽自動車だと思う。
シティコミュータと位置付けることで、一充電あたりの航続距離を短めに抑える割り切りができる。
バッテリー容量を小さくすることで価格を抑えられるし、重量増にも抑えが効く。日産 SAKURAはそんなBEVの在り方をいち早く提案してくれた意義ある存在だ。
軽BEVに対するホンダからの回答
2024年夏、ホンダは軽BEV第一弾として4ナンバー商用車のN-VAN e:を投入した。
日産 SAKURAよりもちょっと大きな、総電力量29.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電あたりの航続距離を245kmとした。SAKURAのバッテリーは20kWhで航続距離は180kmだ。
約1.5倍の容量のバッテリーを積み、航続距離を延ばすことで日産との差別化を図ったのだ。
と、前置きが長くなったが、このN-VAN e:のシステムを乗用軽自動車に移植したのが、今回新たに姿を現わしたN-ONE e:だ。すでに8月1日より受注予約を開始しており、正式発表、発売開始は2025年秋とされている。
現時点では詳細なスペックは公表されていないのだが、唯一明らかにされたのは『一充電あたりの航続距離270km以上』ということ。SAKURAの180kmに対してちょうど1.5倍の数値だ。
「現時点では詳細を明らかにすることはできませんが、バッテリーやモーターなどの駆動系はご想像のとおりだと思います」と開発陣。
まぁそれはそうだろう。前述のようにバッテリーは29.6kWhで、前輪を駆動するモーターは47kW(64ps)、162Nm(16.5kgm)ということになる。
BEVでも室内空間を犠牲にはしない最大限の工夫

N-ONE e:の基本プラットフォームは、ガソリンエンジンを搭載するN-ONEをベースとする。フロアパネルやサスペンションは共通で、フロア下に駆動用バッテリーを搭載する。
後席に乗り込むと、ちょっとフロアボードが高く感じる。サイドシルの高さはN-ONEと変わらないとのことだが、N-ONEでは掘り込まれた室内フロアがサイドシル上端とツライチに上げられている。その差27mmなのだが、この空間がバッテリー搭載場所だ。
こうして後席座面とフロアの間隔が27mm狭くなってはいるが、足元空間自体は広く、前席座面下に足先がスッと入るため、窮屈な姿勢を強いられることはない。後席居住性と荷室積載性は特に開発陣が苦労したところだという。
後席は座面のクッションが厚く、背もたれの高さも充分あり座り心地のよさを実感。専用開発したシート表皮はクロスの織り方を工夫して滑りにくいため、座った姿勢を維持しやすい。
この後席は5対5可倒式だが、ホンダらしく背もたれの動きに連動して座面がダイブダウンするので、低くフラットな荷室となる。
運転席に座ると、スッキリしたインパネが印象的。デジタル表示のメーターパネルとも相まって、N-ONEとはまったく違った造形だ。
モニター画面が標準装備されないベースグレードでは低く直線的なインパネ上面がより強調され、視界のよさを実感する。シフトはボタン式を採用する。
N-ONE e:はホンダが国内市場に向けたBEVの回答だ。正式発表、発売開始が楽しみだ。


















コメント
コメントの使い方買物車には最適ですが、少し遠くのコストコへの買出しには使えません。バッテリー残量が20%を切るとパニックに。バッテリー容量は50kw程度は必須かと。