「手の内感ある走り」でファンを魅了してきたGR86/BRZに、いま大きな変革のうわさが流れている。スポーツカーらしさの象徴でもあるスバル製水平対向エンジンを降ろし、次期型ではトヨタ製ハイブリッドユニットが採用されるのではないか、というものだ。
GR86/BRZは、水平対向だからこそ、あのパフォーマンスを発揮してきた。はたして次期型GR86/BRZは伝統を守るのか!? それとも次のステージへと進化するのか!??
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、SUBARU、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】「手の内感ある走り」でファンを魅了してきた小型FRスポーツ トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」(23枚)画像ギャラリー小型FRスポーツの必要性を示したGR86/BRZ
現行GR86/BRZが誕生したのは2021年10月のこと。意のままに操ることのできる手の内感や、後輪駆動ならではの軽快な走り、そして300万円前半という「手ごろな価格」により、2世代にわたって小型FRスポーツファンから厚い支持を集めてきた。人気漫画「MFゴースト」において主人公の愛車が「86」(初代モデル)であったことも追い風となり、劇中風のカスタムを楽しむユーザーも現れるなど、カルチャーとしての広がりも見せた。
販売状況も、国内市場における2024年の年間登録台数は8,802台(月平均730台)と、スポーツモデルとしては極めて好調で、マツダの「ロードスター」とともに、小型FRスポーツの必要性を示している。2025年8月には、一部改良を受けた最新の「E型」へと深化した。
そんなGR86/BRZにいま、大きな変革がうわさされている。GR86/BRZがもつ魅力のひとつであるスバル製の水平対向エンジンから、次期型ではトヨタ製に変更となるというものだ。
GR86/BRZにはこれ以上ないくらい適していた水平対向 ただ燃費は軽視できない
スバルの水平対向エンジンは、小型かつ低重心なユニットだ。さらに、向かい合うピストン同士が互いの慣性力を打ち消すので一時振動が小さく、小型FRスポーツであるGR86/BRZにはこれ以上ないくらい適したエンジンだ。
そんな水平対向エンジンに代わることができるトヨタ製パワーユニットとはどんなものか。いまもっとも有力視されているのが、トヨタ製ハイブリッドシステムの搭載だ。
スポーツモデルであることを考えれば、GRヤリスやGRカローラに搭載されている最大出力300ps級の1.6L直列3気筒ターボというのも選択肢となるが、このエンジンは、小排気量ゆえに小型かつ軽量で、縦置き化することで後輪駆動にも対応可能というメリットがあるものの、出力重視の特性で燃費性能は芳しくなく、現行GR86の燃費(6速AT車で11.7km/L、6速MT車で11.9km/L)すら下回る可能性が高い。
あのカローラシリーズ(カローラ(セダン)、カローラツーリング、カローラスポーツ、カローラクロス)も2025年5月にハイブリッド専用モデルになった。次期GR86/BRZが全車ハイブリッド化されるのも、むしろ自然な流れなのかもしれない。

























コメント
コメントの使い方水平対向がスポーツカーらしさの象徴?
サスやラックピニオンとの干渉によりエンジンをミッドに置けず、前後配分が理想と離れてしまう分を、重心の低さで補おうというのが86BRZです
しかし高出力化対応やターボ付けたら、その重心低さまで失ってしまうのが水平対向
ラインナップの大半のボクサーは、スポーツではなく滑らかさや振動少を長所とするエンジンです
メーカーの誘導と、実物を伝えるカーメディアは別でなくては
現実的な販売価格って制約をかけるとハイブリッドユニットを使った楽しいスポ車なんて作れるわけない。