未来が現実になった!! 日産が次期型プロパイロット技術を公開したのだ。その中身は、都心の混み入った道をほぼクルマ任せで走り切る驚愕のレベル。2027年度に市販されるというが、第1号車はエルグランドの可能性が高そうだ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】未来を感じる次世代プロパイロットの走りをたっぷり見て!(14枚)画像ギャラリー都心のど真ん中で自動運転の試乗ってマジ!?
「ついに来た」。今の気持ちはこんな感じだ。
ここ数年、運転支援技術は海外のニュースばかりが目立った。テスラのFSD(フル・セルフ・ドライビング)がほぼ自動運転だとか、中国車のNOA(ナビゲーション・オン・オートバイロット)が激安だとか。日本のクルマユーザーとしてはじれったいばかりの日々だったのだ。
そんな悶々とした日がもうすぐ終わる。なぜか。日産が2027年度に市販するという次世代プロパイロット技術を公開し、その内容がぶっ飛んでいたからだ。
9月初旬、その試乗会に参加した。集合場所は東京港区の東京プリンスホテル。東京のど真ん中を試乗ルートとするというだけで、ただ事ではないことが分かる。
案の定、その中身はすごかった。これまでのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)ベースの高速試乗とはわけが違う。基本的にクルマ任せで(自動運転の区分ではレベル2+)、都心のゴチャゴチャした道を走ろうというのだ。
目的地を設定すればあとはクルマ任せ!
試乗車はルーフにセンサー類を載っけたアリア。全身に11個のカメラと5個のレーダーセンサー、1個のLiDARが搭載されているという。LiDARは薄い弁当箱くらいのサイズだがルミナー製というから、ボルボのEX90(日本未発売)が搭載する「Iris」と同じかもしれない。
ワクワクする気持ちを抑えてクルマに乗り込む。運転席に座るのは日産の自動運転技術の「顔」ともいえる飯島徹也さんだが、結果的に飯島さんが行ったことは、機能のスタートボタンを押すことだけだった。
次世代プロパイロットはカーナビと連動しているので、目的地を設定して機能をオンにすれば、スタートの瞬間から運転支援が始まる。レベル2なので万一の際は運転を代わる必要があるが、基本的にはステアリングに手を添えているだけだ。
アリアは東京プリンスのクルマ寄せを出て目の前の信号を左折、新橋方向へ進む。車線が複数あり、それなりに混んでいるが、クルマはうまく流れに乗り、必要に応じて車線変更もこなす。よくできた自動運転の常で、不快な加減速やヨーは一切出さず、ベテラン運転手のハイヤーに乗っている気分だ。
トラックの荷下ろしや逆走自転車にも慌てない
試乗コースには、細い道路や対向車が見通しにくい右折、ファスナー合流など、あえてプロパイロットには意地悪と思われる区間が設定されていた。
そういった場所ではトラックの荷下ろしや逆走してくる自転車、横断するかしないか分からない歩行者などに遭遇したが、プロパイロットは「分かってましたよー」と言わんばかりに速度を落とし、やんわりとコースをずらす。急ブレーキも一切なし。もちろん運転を放棄する場面は一度もなかった。
ちょっと固い話になるが、このすごい運転には、日産が長年培ってきたグラウンド・トゥルース・パーセプション技術に加えて、イギリスのウェイヴという企業が開発した「エンボディドAI」という生成AIが活きているという。
これまでの自動運転は、運転を「認知」「判断」「操作」という要素に分け、それぞれのレベルで想定しうる状況をAIに覚え込ませていく、いわゆる「ルールベース」というものだった。しかしこのやり方では学習に限界があり、複雑な現実にすべて対応させることが難しい。
対してウェイヴ社のAIは、俗にいう「E2E(エンド・トゥ・エンド)型」というもので、認知から操作までを一気通貫でAI自身が学び、判断する。これによって現実世界に対する理解力が高まり、しかも高精度(=お金がかかる)のダイナミックマップなどに頼らずとも、自律的な運転が可能になるのだ。

















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