お互いの陣営はライバルをどう見ているのだろうか?
トヨタはヴィッツの名称をグローバルで使われている車名、ヤリスを採用した。新開発のTNGAを採用し、パワーユニットも1.5L、NAのガソリン車と、同ハイブリッドも新たに開発し、1.5Lハイブリッド車は同クラス最高の低燃費、WLTCモード36.0km/Lを実現した。
ちなみに1Lエンジン搭載車が20.2km/L、新開発の1.5Lエンジン車のXとZは21.6km/L(CVT)。しかもヤリスはガソリン車にあえて、アイドリングストップ車を設定していない。
ホンダとトヨタいずれも低燃費を積極的にアピールしておらず、まるで低燃費競争の”冷戦”のようだが、実際の販売現場、ヤリスの営業マンは「ヤリスの燃費は36.0km/Lでフィットを6km/L以上も圧倒しています。もう低燃費では勝負になりません」と積極的に低燃費をアピールする。
一方、フィットの営業マンもヤリス「2モーターの走りのよさ、走りの楽しさは断然こちらの方が上。室内の広さ、視界のよさもヤリスはフィットの敵ではありません」と火花を散らす。
トヨタが公表したデータの内訳を見ると、グレード別の受注実績は、Zグレード、Gグレードともに約30%。ハイブリッド車は全体の約45%。
装着率の高いメーカーオプションは「バックガイドモニター」が約70%(HYBRID Z、HYBRID Gは標準装備)。
インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]が約50%(X“B package”、MT車除く)。
「ブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックオートアラート[パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)]+インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」が約30%(X“B package”、MT車除く)となっている。
ボディカラーはスーパーホワイトII、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、ブラックに集中、テーマカラーのセシュアルレッドマイカは10%程度と少ない。
一方、フィットは5つのグレードをラインナップ。販売構成比を見ると、グレードの内訳は最量販車種のホームが46%で最も多く、次いでベーシックが20%(法人やレンタカー需要も多い)、豪華で上質な装備を採用するリュクスは15%、クロスオーバーSUVテイストのクロスターは14%、2トーンカラーのアクティブなネスは6%となっている。
エンジンは初期受注とあってか、e:HEV(1.5Lハイブリッド)が72%と多く、ガソリンNAエンジンは28%だ。
1.5Lハイブリッドは従来の1モーター2クラッチから2モーター方式を採用したことで、従来の半分の受注構成比から70%以上に引き上げている。
ボディカラーはプレミアムサンライトホワイトパールを軸にプラチナホワイトパール、ルナンシルバーメタリック、クリスタルブラックパールが人気色となっている。
販売現場への取材でわかってきたのは、ヤリスが男性好みのスタイリッシュなエクステリアデザインなのに対して、フィットは財布を握っている奥さんや女性ユーザーからの評判が高いことにある。
燃費の良さではヤリスに軍配が上がるが、フィットは室内の広さで分があるといえる。一見、ガチンコのライバル車に見えるが、蓋を開けてみると、ヤリスは前席重視のパッケージングと低燃費がウリとユーザーは見極めているという。
一方のフィットはインテリアショップのようにボディカラーやインテリアカラー、グレードを選べ、後席の広さをポイントにファミリー層が積極的に来店しているという。
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