ヘッドレストの適正位置とは?
さて、正しいヘッドレストの位置とはどこなのか? シートに座った時、ヘッドレストの位置をなんとなく高くしている人が多いのではないだろうか?
各社のクルマに備え付けられている取扱説明書では以下のように明記している。トヨタはプリウス、カローラなどでは、「ヘッドレストの中心が両耳のいちばん上のあたりになるように調整」 、N-BOX、フィットなどのホンダの取扱説明書では「後頭部の中心がヘッドレストの中心に来るようにヘッドレストの高さを調節 」、マツダの取扱説明書では、「ヘッドレストの中央が、耳の上部と同じ高さになるように調節」と掲載されている。
JAFでは「ヘッドレストは頭頂部と高さを合わせ、ヘッドレストと頭にすき間ができないようにします(頭頂部と高さが合わない場合には一番高くします)」としている。各社、表現の仕方が微妙に異なっている。
ヘッドレストの高さ調整は、適正なドライビングポジションをとったら、ヘッドレストの高さをヘッドレスト中央が耳の上の位置に来るようにあたりをつけて上げる。
そして、右耳の上の部分に右手をあて、そのまま右手を横にずらして、耳の上の部分がヘッドレストのどこにあるのか確認し、中央に来るように微調整しよう。
後席にヘッドレストを装備されていない例も
残念ながら後席にヘッドレストが装備されていないクルマもある。コストの関係、もしくは後席はあるけれど、狭いので利用されるユーザーが少ない、という判断から後方視界確保のために省略されている、という現状がある。
ヘッドレストの有無については、道路運送車両の保安基準第22条4号によって定められていて、運転席と助手席に付いていればOKと定められている。
細かく見ていくと、平成24年6月30日までに生産されたクルマは運転席のみヘッドレストが必要。
平成24年7月1日以降に生産されたクルマは運転席と助手席のみヘッドレストが必要となっている。
助手席は必要と改正されているが、後部座席については必要ないということで改正されていないのである。
だから、後席にヘッドレストが装着されていないクルマや後席は3人掛けなのに2人分しか用意されていないというクルマが存在するのだ。
ちなみに2列シート車は後部座席にヘッドレストがなくても車検は通り、3列シート車でも2列目と3列目とにヘッドレストがなくても通るのだ。
最後に、これに関連した問題がもう1つある。後席のシートベルト装着率の低さである。
JAF(日本自動車連盟)は2019年11月に、警察庁と共同で「シートベルト着用状況全国調査」を行い、その結果を2020年1月24日に発表した。
それによると、シートベルトの着用率は、運転席が一般道=98.8%、高速道路=99.6%、助手席も一般道=95.9%、高速道路=98.3%と100%に近かった。
しかし、後席は一般道=39.2%、高速道路=74.1%と非常に低い装着率だった。
後席のシートベルト着用は2008年6月1日から義務化されている。現在、高速道路で後席のシートベルトを着用しなかった際には罰則があるが、一般道ではない(運転席・助手席の違反点数は1点、後部座席は高速道路上のみ1点。反則金はともになし)。
やはり、一般道の後席シートベルト非装着の罰則則化をするとともに、早急に後席ヘッドレストの義務化を急ぐ必要があるのではないだろうか。
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