クルマ好きならこの価格帯から目を離すな!?　301万〜350万円のオススメ車

　クルマ購入の第一条件となるのが「予算」。ということで、予算以外の条件を問わず、301万円から350万円のクルマの中からオススメのクルマを選んで……みたいのだが、この価格帯はどうやらカーマニア向けの品揃えが豊富のようだ!?

※本稿は2025年9月のものです
文：渡辺陽一郎／写真：トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、ベストカー編集部
初出：『ベストカー』2025年10月26日号

ミッドサイズSUVに加え輸入車や2ドアクーペもターゲットに！

　以前は300万円を超える価格帯の主役はクラウンなどの高級セダン、ターボエンジンを搭載するレガシィツーリングワゴンのようなスポーツモデルだった。しかし今はクルマが全般的に値上げされ、ミドルサイズカーの中級グレードなどが中心になる。

　ミドルサイズミニバンのヴォクシーを見ると、改良を行って値上げされ300万円以下のグレードが消滅した。しかもハイブリッドは全グレードが350万円以上だから、この価格帯に該当するのは2Lのノーマルエンジン車だけだ。

　ステップワゴンもこの価格帯に収まるのは、1.5Lターボを搭載するエアーとエアーEXのみ。e：HEVと上級のスパーダは350万円を超える。

　セレナはハイブリッドのe-POWER・Xは該当するが、人気のe-POWERハイウェイスターVは350万円超だ。つまりこの価格帯で王道のミニバンは、フリードe：HEVエアーEXを加えても品ぞろえが少ない。

　SUVもエクストレイルはe-POWERのみだから、この価格帯に入らない。ZR-Vも安価なグレードが該当するだけだ。

　そこで意外な選択肢となるのが買い得グレードを選べるCX-5。人気のクリーンディーゼルターボを搭載するXDブラックエディションを350万円弱で用意した。

　CX-5は価格が割安で、2025年1～6月はコンパクトなマツダ2を押さえてマツダの最多販売車種になった。この価格帯は、SUVについてもミニバンと同じく買い得車を見つけにくい。

　この価格帯に買い得車が少ない理由は、250万～300万円を充実させたためだ。ヴェゼルe：HEV・Xハントパッケージのように、装備内容を考えると価格が300万円を超えるのに、290万円台に抑えて割安感を強調する車種も多い。

　その結果、300万円を超える価格帯には、推奨できる買い得車が減ったのだ。それでも人気の買い得車を探すとプリウスGがある。実用装備を充実させて価格を抑えた。

　スポーツカーではロードスターに売れ筋のSスペシャルパッケージがあり、輸入車ではVW ゴルフeTSIアクティブベーシック、プジョー 208アリュールも該当するので意外な選択肢としておススメだ。

　以上のように300万～350万円の価格帯ではミニバンやSUVなど売れ筋カテゴリーの買い得車を見つけにくい半面、スポーツカーや輸入車には個性的で魅力のあるクルマがそろう。クルマ好きのユーザーが、出費を抑えながら趣味性の強い少しマニアックなクルマを選べる価格帯だ。

●渡辺陽一郎のイチオシ!!

　イチオシは総合力で優れる王道のトヨタ プリウス。だが、マツダ ロードスターも魅力的だ。