スズキは2025年10月、コンパクトSUV「クロスビー(Xbee)」のビッグマイナーチェンジを発表した。2017年の登場以来、都市とアウトドアをつなぐ「ちょうどいい」クロスオーバーとして人気を博してきたクロスビー。これまでは安全装備や快適性を中心に改良が重ねられてきたが、今回の変更ではデザイン・走行性能・安全支援・快適装備と、クルマの基本性能にまで踏み込んだ大幅な進化を遂げている。いったいどんなところが変わったのか、詳細をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:SUZUKI
【画像ギャラリー】かなりいいモデルへと進化した、スズキのコンパクトSUV新型「クロスビー」(14枚)画像ギャラリー「かわいい」から「親しみやすさ+力強さ」に
丸みを帯びたボディとかわいらしい顔つきが特徴的なコンパクトSUVであるスズキ「クロスビー」。SUVらしい樹脂モールやアンダーガード風意匠を組み合わせることで、街にもアウトドアにも映える独自のスタイルを築いたモデルだ。デビュー3年目となる2020年に安全・運転支援機能の強化を行い、2022年には、フロントグリルやアルミホイールデザインの変更、UV / IRカットガラスやUSBソケットの追加など、内外装の質感や快適性の向上が図られていた。
そんなクロスビーだが、今回のビッグマイナーチェンジでは、外観デザインを大幅に刷新。直線基調と抑揚のある面構成を強調したフロントマスクにより、従来の「かわいらしさ」に加え、SUVらしい力強さも強調された。LEDヘッドランプやグリル、バンパー形状も新デザインとなり、より現代的で存在感ある仕上がりだ。
インテリアも全面的に見直され、インパネとドアトリムを一体的にデザインすることで、従来モデルよりも横方向の広がり感を演出。素材には革調やステッチ意匠が取り入れられ、上級グレードにはヘッドアップディスプレイやLEDルームランプなどの快適装備も用意された。スズキとして国内初採用となる7インチメーターディスプレイが搭載されたことで、インテリア全体の質感も高められた。
走行性能と燃費の進化で日常もレジャーも快適に
従来モデルでは、1.0Lターボ+マイルドハイブリッド+6速ATという組み合わせで、軽快さとコンパクトSUVとしての力強さを両立させていたクロスビー。4WD車にはスポーツモードやスノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールを標準搭載し、悪路対応力も評価されてきたが、一方で燃費性能や静粛性の面では課題が指摘されていた。
今回の刷新では、これまでの1.0L直噴ターボエンジン&マイルドハイブリッド(6速AT)から、スイフトやソリオに採用されている1.2Lの直列3気筒NAエンジン(Z12E型)とCVTの組み合わせへ変更。これにより、燃費はWLTCモードで22.8km/L(2WD)と、従来の18.2km/Lから大幅に改善された。
走行性能に関しても、コーナリング時のふらつきを抑える「アクティブコーナリングサポート」を採用したことで安定した走行が可能になったほか、減衰接着剤の採用によってボディ剛性と静粛性も改善。これまで4WD専用だった走行モードやグリップ制御機能を2WD車にも拡大し、都市部からアウトドア、長距離移動まで、幅広いシーンで快適性と安心感が向上している。従来モデルが得意としていた「ちょうどよい走行フィール」をさらに磨き上げ、日常使いの扱いやすさと走りの楽しさを両立させた格好だ。

















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