「7歳が最多」ってマジかよ…子どもの飛び出し事故を防ぐために運転者が知るべきこと

「7歳が最多」ってマジかよ…子どもの飛び出し事故を防ぐために運転者が知るべきこと

 2025年5月、静岡県で2歳の男の子が保育園前の道路でクルマにはねられる事故がありました。母親が迎えに来た際、一瞬目を離したすきに道路に飛び出し、事故に遭ったとされています。

 警察庁によると、道路への飛び出しは7歳をピークに子供が圧倒的に多く、日常のごく身近な場面でも重大事故につながりかねない危険が潜んでいます。ドライバーができることはなにか、考えてみましょう。

文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_ maroke/写真:Adobe Stock、写真AC

【画像ギャラリー】7歳が最多!! 子どもの飛び出し事故を防ぐために、運転者が知るべきこと(7枚)画像ギャラリー

子どもは「見えていない」

 警察庁によると、2020年~2024年に全国で歩行中に交通事故に遭い死傷した人は、年齢別では7歳がもっとも多かったそう。また幼児・児童が歩行中に事故に遭ったケースでは、幼児・児童ともに「飛び出し」がもっとも多いとされています。

 発達途上にある子どもは、遊びや興味・好奇心に対して突発的に動きだします。また子どもは大人よりも視野が狭く、周りの状況を広く認識できないそうで、大人には当たり前に見えているクルマでも、子どもにはそもそも視界に入っていない可能性があるのです。JAFが公開している「子ども目線・大人目線編 (もしもの状況を疑似体験する360度VR動画)」で、その差を実感することができます。

 そのため「見えているはずからまさか飛び出してこないだろう」と思って運転していると、突然子どもが飛び出して事故になってしまう、という可能性があるのです。

JAF:子ども目線・大人目線編 (もしもの状況を疑似体験する360度VR動画)

子供は「飛び出してくるもの」&「ゾーン30」は最警戒エリア、徐行+死角チェックを徹底

 ドライバーの立場からすると「飛び出してくるものは避けられない」と考えがちですが、ドライバーには自賠責法の「運行供用者責任」があります。自分のためにクルマを運行させている人は、運行によって人の生命身体を害した際、損害を賠償する責任があるというもので、たとえ歩行者側に原因があったとしても、道路交通法第70条で規定されている「安全運転の義務」のもと、ドライバーにも過失が問われます。

 飛び出し事故を回避するには、まずはドライバーが 「子どもは飛び出すもの」 という前提を持って運転することが必要です。JAFの交通安全教育でも「ガードレールがない車道では、突然の飛び出しに注意し、特に子どもと自転車に遭遇したら、飛び出しに備えて足をブレーキに」と示されています。植え込みや塀・駐車車両などの死角がある場所も要注意。いつでも止まれる態勢をとっておく必要があります。たとえ子どもと目があったとしても、油断してはいけません。

 また通学路や保育園・幼稚園付近、住宅街などの子どもが日常的に通行する場所は、慣れていることで子どもが安心しているため要注意。これらの生活道路を走行する際は「徐行」を習慣とするようにしてください。速度を落とすだけで停止距離・判断時間が圧倒的に改善します。歩行者や自転車の安全を確保するために時速30キロの速度規制が敷かれている「ゾーン30」を通行しないようなルートを選ぶというのも、危機管理のひとつでしょう。

塀や駐車車両の陰は大きな死角。子どもが隠れていても不思議ではない、と考えることが大切(PHOTO:Adobe Stock_ Photographee.eu)
塀や駐車車両の陰は大きな死角。子どもが隠れていても不思議ではない、と考えることが大切(PHOTO:Adobe Stock_ Photographee.eu)
歩行者や自転車の安全を確保するために時速30キロの速度規制が敷かれている「ゾーン30」を通行しないようなルートを選ぶというのも、有効な安全運転のひとつだ(PHOTO:Adobe Stock_Hassyoudo)
歩行者や自転車の安全を確保するために時速30キロの速度規制が敷かれている「ゾーン30」を通行しないようなルートを選ぶというのも、有効な安全運転のひとつだ(PHOTO:Adobe Stock_Hassyoudo)

次ページは : ドライバーの「予測」と「準備」で、子どもと自分を交通事故から守ろう

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

 12月に入り、いよいよ今年もラストスパート。2025年は新型車ラッシュに加え、JMS2025をはじ…