冬はクルマにとって想像以上に過酷な季節である。低温、雪、凍結、短距離走行の増加などが重なり、放置すればトラブルや寿命短縮につながりかねない。そこで本記事では、冬だからこそ実践したい愛車の寿命を延ばすメンテナンスを紹介したい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock、トビラ写真(写真AC)
【画像ギャラリー】冬に短距離走行を繰り返すとエンジンオイルが乳化する! 愛車の寿命を延ばすために「冬に必須のメンテナンス3選」(6枚)画像ギャラリー雪道を走った後は下回りの洗浄が必要
雪道を走行した後のクルマは、見た目以上にダメージを受けている。最大の原因は、融雪剤として散布される塩化カルシウムや塩化ナトリウムだ。これらは金属を腐食させる性質があり、放置するとフレームやサスペンション、ブレーキ配管など下回りの錆を急速に進行させる。
特に最近のクルマは防錆処理が進化しているとはいえ、万能ではない。雪道を頻繁に走る地域では、冬の間に一気に下回りが傷むケースもある。
対策はシンプルで、雪道走行後はできるだけ早く下回り洗浄を行うこと。高圧洗浄機が使える洗車場や、下回り洗浄メニューのある洗車機を活用するのがおすすめである。これだけでも、錆の進行を大きく抑えられ、結果的にクルマの寿命を延ばすことにつながる。
気温低下によりバッテリー性能は2〜6割低下するため、電圧チェックを行い、3年を目安に交換
バッテリーは気温が下がると性能が大きく低下する。一般的に、冬場は性能が2〜6割も落ちるとされており、夏は問題なく使えていたバッテリーでも、寒い朝に突然エンジンがかからなくなることがある。
特に注意したいのは、使用開始から2年以上経過しているバッテリーだ。劣化が進んだ状態で冬を迎えると、始動性能の低下が一気に表面化する。
対策としては、冬本番前に電圧チェックを行うことが重要である。カー用品店やディーラーでは短時間で測定できるため、定期点検感覚で利用したい。また、3年を目安に交換する意識を持つことで、突然のバッテリー上がりを防ぎやすくなる。結果として、スターターや電装系への無理な負担も減り、クルマ全体の寿命延長につながる。
冬に短距離走行を繰り返すとエンジンオイルが乳化しやすくなる
【画像ギャラリー】冬に短距離走行を繰り返すとエンジンオイルが乳化する! 愛車の寿命を延ばすために「冬に必須のメンテナンス3選」(6枚)画像ギャラリー冬場はエンジン内部が十分に温まらないまま走行を終えるケースが増える。この状態が続くと、エンジン内部に発生した水分が蒸発せずに残り、エンジンオイルと混ざり合って「乳化」が起こりやすくなる。
エンジンは燃焼過程で必ず水分を発生させる構造になっており、本来は油温が上昇することで水分は蒸発して外へ排出される。しかし冬は外気温が低く、短距離走行が多いと油温が十分に上がらず、内部結露のような状態が続いてしまうのである。
乳化のサインとして分かりやすいのが、オイルフィラーキャップの裏側やオイルレベルゲージに付着する白っぽい物質だ。コーヒー牛乳やマヨネーズのような色合いになっていたら、それはエンジンオイルが乳化している可能性が高い。見た目は軽微でも、オイル本来の潤滑性能は著しく低下している。
乳化したエンジンオイルは、金属表面を保護する力が弱まり、摩耗や汚れの原因になる。さらに放置すれば、スラッジの発生や内部腐食につながる恐れもあるため注意が必要だ。
特に冬場に「普段はちょい乗りが中心」という使い方をしているクルマや、エンジンが停止と始動を頻繁に繰り返すハイブリッド車は、乳化が起こりやすい傾向にある。
対処法としてまず意識したいのが、エンジンをしっかり暖める走行を定期的に行うことだ。意識的に遠回りをするなどして、30分以上連続で走行し、油温を十分に上げることで、内部に溜まった水分を蒸発させることができる。これは乳化予防として非常に効果的である。
すでに乳化の兆候が見られる場合は、できるだけ早めのエンジンオイル交換が必要だ。乳化したオイルは性能が低下しているため、そのまま使い続けるメリットはない。内部の汚れがひどいと判断される場合は、オイル交換時にフラッシングを行い、エンジン内部を洗浄するのも一つの選択肢である。
冬場のエンジンオイル管理は、距離だけでなく使い方が重要になる。走行距離が少なくても安心せず、短距離走行が多い場合ほど、オイルの状態に目を向けたい。エンジンオイルの乳化を防ぐことは、エンジンの寿命を守るうえで欠かせない冬メンテナンスのひとつである。












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