スマホとの機能連携を模索する純正ナビ
これまでトヨタ、日産、ホンダの3社はそれぞれ「T-Connect」(トヨタ)、「カーウイングス」(日産)、「インターナビ」(ホンダ)という従来の通信サービスを展開してきた。
最近ではスマホの機能と組み合わせた新たな通信機能を採用し始めており、この流れに合わせて、ナビ/オーディオの専用化という新たなトレンドが生まれ始めている。
既存のAV一体型カーナビゲーションからナビ機能を省き、代わりの昨今人気の「スマホナビ」アプリに代用させるという車載器、ディスプレイオーディオである。
ディスプレイオーディオの設定として、スマホ用アプリのiPhone用「CarPlay」とAndroid用「Android Auto」を標準化して、認知度を高めるべく努力しているようだ。
トヨタはカローラから全グレードでディスプレイオーディオを標準装備として、これにナビキットを装着する形式をとる。スマートフォンとの接続のため連携機能として、メーカーや車種によって機能制限を受けず、常に最新の機能を使いこなせるスマートデバイスリンクを用意。
各メーカーでは仕様設定が拡大しつつある「Apple CarPlay」と「android auto」のオプション設定を、2020年4月から順次標準装備へと設定変更している。
ディスプレイオーディオのユーザーメリットとしては、初期価格が抑えられていることが挙げられる。
その一方で、デメリットとしては、使用頻度にもよるが基本ナビなどのアプリを使う際の通信費(パケット代)は自分持ちになる。
※参考:トヨタT-Conectの基本利用料と通信接続について
また、ナビの自車位置精度はスマホ任せなので、GPSやセンサー類の性能もスマホの能力差が出ること。特にトンネル内ではGPSの電波が遮断されるので自車位置表示が停まったままになるケースが多いことが挙げられる。
すでに販売済みのディスプレイオーディオ装着車についても、「T-Connect」の通信機能(契約が必要)によるバージョンアップを通じて、2020年6月中旬以降、順次機能を付与していくとしている。
●トヨタヤリス(139万5000~249万3000円)/車両価格比:約5~8%
・エントリーナビキット:6万6000円
・T-Connect対応ナビ:11万円
・ディスプレイオーディオ(8インチディスプレイ):1万1000円(Xグレード以外は標準装備)
一方、デザイン重視のマツダは新世代モデルを中心に、標準設定の「マツダコネクト」を展開している。
センターモニターに対応しているので利便性は確保していても、トヨタのディスプレイオーディオと同様に、モニターの見た目や使い勝手の面で選択の余地がないことに不自由さを感じるかどうかが、評価のカギとなるはずだ。
純正ナビの価格の高さに理由あり
ではなぜ純正ナビは高く思えるのだろうか? たとえば、室内の装備品では直射日光(紫外線の影響があるため、UVカットガラスは乗員だけでなく、装備品の耐久性向上にも効果がある)や寒暖差などは家電の耐久性とは求められる耐久性のレベルが違う。
加えて、ナビに関しては取り付け精度や機能の拡張性の容易さでは純正品が社外品を上回ることは間違いない。
それを証明するのは、自動車の装着品として、メーカーの保証期間がいわゆる「一般保証」の対象として、エアコンなどと同様に基本的に3年の保証が付くことだ。
最近はSDカード対応の社外ナビも増えてきているが、ハードディスクナビでは1年程度の保証では少々心許ない。
機能面でも純正品としてバックカメラやステアリングに付随するオーディオ用スイッチと連動する場合があるので、3年の一般保障を考えても、純正品を選ぶ価値はありそうだ。
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