67台が絡む多重事故……修理代は誰が払う!? 実は「共同不法行為」で全員に責任?? 多重衝突事故の保険の仕組みとは

自分の身を守るのは車両保険

やはり頼れるのは自身が加入している車両保険。万が一の備えの重要性を改めて実感する(78art@AdobeStock)
やはり頼れるのは自身が加入している車両保険。万が一の備えの重要性を改めて実感する(78art@AdobeStock)

 今回のような大規模事故では、誰か特定の犯人から全額を賠償してもらうことは非常に困難で、実務上は自分の保険で直すという解決になりがちです。

 唯一頼りになるのは、自身が加入している車両保険です。この事故は、万が一の備えの重要性を改めて教えてくれていると言えるでしょう。

死亡被害者への賠償責任は?

 死亡した方についての責任は、民事責任と刑事責任があります(細かく言えば運転免許取り消し等の行政上の責任もあります)。

 多重事故での刑事責任(金銭的な賠償とは別の、刑務所に行くかどうかといった刑事罰としての責任)については難しく、誰の衝突が致命傷だったのかを、どの程度立証できるかという問題になります。

 刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益に」という原則があり、最終的な死因まで検察側で特定できない場合には、過失運転「致死」罪での立件は断念して、少なくとも怪我を負わせたと言える者についてのみ、過失運転「致傷」罪での立件をするしかなくなります。

 このように刑事責任を問うのは、検察側の立証のハードルが非常に高いのですが、民事のほうがハードルとしては刑事よりも高くありません。

 「誰が致命傷を与えたかまで特定できなくても、過失のあったドライバー全員」に対して金銭的な賠償が認められる可能性があるという意味で、遺族に対しては保険金が支払われ救済される可能性があります。(民法719条1項「共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができない時も、同様とする」。)

 本件のようなホワイトアウト下での多重事故においては、走っていただけで前方注意義務違反等になる可能性があり、ドライバーの過失はゼロと立証するハードルが極めて高く、共同不法行為者全員が死亡結果について民事上の損害賠償責任を負うことになる可能性があります。

【画像ギャラリー】多重衝突事故は「お互いさま」の連帯責任に!? 複数台が絡む大規模衝突事故の責任の所在は!?(6枚)画像ギャラリー

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