初代から貫徹するRAV4の哲学とは? デカいのになぜ売れる?? 

初代から貫徹するRAV4の哲学とは? デカいのになぜ売れる?? 

 世界累計販売台数が1000万台を超えた――。1994年の発売開始から27年間、5世代に渡って、日本そして米国や欧州、中国など、世界中で売れまくっている、トヨタ RAV4。

 しかも、世代更新をするごとに、販売台数は右肩上がりで伸びており、2019年に登場した現行型RAV4は、過去最高販売台数を更新中だ。

 RAV4は、世代が変わるごとに、少しずつデザインやコンセプトを変えてきている。

 コンセプトが変更されると「らしさ」が失われたとして、失敗するクルマが多いなか、なぜRAV4は、コンセプトが変わっても、ユーザーから支持され続けることができるのだろうか。

【画像ギャラリー】初志貫徹!? 歴代RAV4を一挙におさらい

文:吉川賢一/写真:編集部、TOYOTA


■初代から5代目まで歴代RAV4を振り返る

【コンパクトボディとカジュアルさで一世を風靡した初代】

 RAV4が誕生した1990年当時は、ランクルやパジェロのような本格クロスカントリーSUVが人気であった。

 そんな中で初代RAV4は、乗用車をベースにしたクロスオーバーSUVの先駆けとして登場、「RAV4という名のスポーツ!」をキャッチフレーズに、当時人気の「キムタク」をCMキャラクターに採用、若者たちの視線を釘付けにした。

初代RAV4のイメージキャラクターはキムタクだった。若者のライフスタイルを提案した1台だ

 このCMに憧れ、RAV4を手に入れたユーザーは多かった。コンパクトなボディと明るく開放感のあるキャビン、大きなタイヤを装着し、車高を上げ、ボディの下半分を樹脂バンパーとしたことで、アクティブな印象を与えていた。のちに5ドア5人乗りも出していたが、印象にあるのは3ドアボディだろう。

【初代のやんちゃ感を抑えて、正統派SUVへ進化した2代目】

 2代目RAV4は2000年5月に登場した。ボディタイプは初代と同様に、3ドアと5ドアが用意されたが、北米市場に向けて、そのサイズは大型化された。

 開放感のあるキャビンと背高でワイドなボディ、大きなタイヤ、背面に背負ったタイヤなど、ポイントをおさえたデザインとなっていたが、初代のデザイン程のインパクトは姿を消し、まじめなクロスオーバーSUVの方向性へとややシフトした。

【SUVとしての地位を築いた3代目】

 3代目は2005年に登場。登場するやいなや、グローバルでの年間販売台数が30万台を突破し、大ヒットとなったモデルだ。ボディは5ドアのみとなり、ボディサイズも2代目に比べて、全長、全幅ともに拡大された。

海外志向が強くなったともいわれる3代目

 大きく視界のよいウィンドウ、リアに背負ったスペアタイヤなど、2代目のボディスタイルを踏襲し、より洗練化したデザインへと正常進化した。

【シャープな都市型SUVへとシフトした4代目】

 4代目は2013年1月に登場したが、日本では販売されなかった。北米メインとなったことで、よりワイドなボディへとなり、3代目までの柔らかい印象のフロントフェイスから、シャープな印象へとシフトし、ボディシェイプも流麗となるなど、都市型クロスオーバーSUVの方向へと進化した。

 デビュー年には50万台を突破、年を追うごとに販売台数を増やし、年間80万台を超えるまでに成長した。

【オフロード走行寄りのワイルドなデザインへ振った5代目】

 そして2019年に、現在の5代目RAV4へモデルチェンジ。日本市場復活を果たしたこの5代目では、オフロード寄りのキャラクターへと姿を変え、ややワイルドなデザインとなった。

大ヒットとなった5代目。車幅の大きさをハンディとせずややオフロードよりのキャラクターが支持された

次ページは : ■5代目RAV4が日本でヒットしたワケ

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