およそ6年ぶりに、WRXにMT車が復活する。スバル WRX STI Sport♯はWRX STIよりもカジュアルで、初心者も楽しめるスポーツセダンだ。スバルは既存のアセットを使い、MT車でも走る愉しさを追求していくという。これは楽しみだ!!
※本稿は2026年3月のものです
文:国沢光宏/写真:スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年4月26日号
スバルが変わる……オレたち寄りに!
スバルの開発トップが藤貫哲郎さんになって大きく変わり始めた。前回のジャパンモビリティショーを見てもわかるとおり、久しぶりにスポーツモデル路線を打ち出している。
何度か藤貫さんとクルマ談義をしたけれど、よき時代のスバルの空気感を持つ。漏れ伝え聞くところによると、そう遠くないうちに「少し頑張れば買える価格」の楽しいクルマを何台か発表する予定だという。
そのうちの一台はJMSに出展したパフォーマンスB STIコンセプトと呼ばれるインプレッサベースのマニュアルモデルだろう。この車両はスーパー耐久に参戦し、鍛え上げられて発売されると予想。
ではトップバッターとなるのは何かといえば、2026年のオートサロンで発表された「WRX STI Sport♯」だ。このクルマのベースモデルは現行WRX S4だ。
スバルファンならご存知のとおり2021年のデビュー当初から北米ではWRX S4の6MT仕様をラインナップしていた。
もちろん日本でもマニュアル仕様を出すべきという社内の意見もあったけれど、当時のスバルは「藤貫時代」じゃなかった。「STIの名を付けるなら、それ相応のパフォーマンスが必要。でも今のエンジンでは物足りない」みたいな異論も出た結果、CVTだけにした。
そして2023年6月から「藤貫時代」を迎える。藤貫さんが取締役専務執行役員に就任したからだ。藤貫さんの想いは「電気自動車の時代が始まる前にパーティやろうよ!」といったら言い過ぎだろうか。
往年のWRX STIにも劣らない楽しさを持つ
とはいえ社内には依然として「STI」というブランドに対する保守的な意見も多いようだ。そんなことから今回「WRX STI Sport♯」というグレード扱いにしている。
エンジンスペックを見ればわかるとおり最高出力はS4と同じ275psで、最大トルクは2.5kgm(25Nm)低い。モータースポーツに参戦するようなポテンシャルは持っていない。ガチガチのハイパフォーマンスを求める人には物足りないかもしれないが、以下紹介するように、むしろそこがカジュアルでいい。
昔のWRX STIに搭載されていたEJ20が308ps出していたことを考えるとパワー的に大人しいと思う人もいるだろうけれど、ハンドルを握ると(WRXのカナダ仕様に乗りました)、低中速からトルクが湧き上がる。街乗りでは充分すぎるほどパワフル。そしてアクセルレスポンスも良好。
ワインディングに入ると、2500rpmあたりからトルクがぐっと立ち上がり、5500rpmくらいまでを使うグループN時代のラリーカーを思い出す(カナダ仕様のWRXは6000回転くらいまで気持ちよく回る)。その気になって走ったら存分に速い!
トランスミッションは500Nm(51kgm)以上のトルクに耐えるWRX STIのような大容量型でないため変速時のイナーシャが小さく軽快だ。
クラッチも軽め。渋滞だってストレスなし。もちろんヒルスタートアシスト付きのため、坂道発進でサイドブレーキを使う必要もない。マニュアルミッションの楽しいところだけを引き出せる。
アイサイトはバージョン4が入っていて、高速道路のロングドライブならアダプティブクルーズも使える(35km/h以下は解除)。安全装備を削ってスポーツモデル化したわけじゃないのがスバルらしい。



















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