アイサイトにできること、できないこと 【“自動”技術 10の 疑問】

アイサイトにできること、できないこと 【“自動”技術 10の 疑問】

 自動ブレーキや自動運転など、“自動”にまつわる技術は、実際に何が「できて」、何が「できない」のか? 

 自動ブレーキの代表格で、6月にもさらなる進化が噂されるスバル アイサイトのできること、できないことを一問一答で解説!

文:渡辺陽一郎/写真:SUBARU、平野学


自動ブレーキは速度差50km/hまで対応【できる】
手放し運転は【できない】

 Q1:アイサイトって自動ブレーキ? それとも先行車を追従するクルーズコントロール? あるいはその両方の機能を指すの?

 A1:アイサイトには緊急自動ブレーキ(正しい名称は衝突被害軽減ブレーキ)と、一定の車間距離を保ちながら先行車に追従走行できるクルーズコントロールの両方が備わる。

 その理由は、アイサイトがセンサーとして2個のカメラを使うためだ。前方を走る車両や歩行者、路上に引かれた白線などを検知して、自車との距離も把握できる。

 この技術を応用することで、緊急自動ブレーキとクルーズコントロールの両機能を兼ね備える

いわゆる自動ブレーキと追従クルコンを合わせたシステムの総称が「アイサイト」だ。ただ、それぞれの機能でできること、できないことは異なる
いわゆる自動ブレーキと追従クルコンを合わせたシステムの総称が「アイサイト」だ。ただ、それぞれの機能でできること、できないことは異なる

 Q2:緊急自動ブレーキは何km/hまで対応しているのですか? その速度までなら衝突を回避できますか?

 A2:衝突の危険を検知して警報を発したり、緊急自動ブレーキを作動させる機能は、法定速度となる100km/hまで作動する。

 そして、前方を走る車両との相対的な速度差が50km/h以下歩行者の場合は35km/h以下であれば、衝突を回避できる場合がある。

 Q3:作動する速度の範囲を超えていたら、前方の車に衝突するのですか?

 A3:高い速度で走っていたり、前方の車両や歩行者との相対速度差が大きい時には衝突を回避できない。つまり衝突する

 天候などによっては、相対速度差が、車両は50km/h、歩行者は35km/hの範囲に収まっても避けられない場合がある。

 それでも緊急自動ブレーキが作動すれば、非装着車に比べると、衝突時の速度が下がって衝突による被害を軽減することが可能だ。

 Q4:アイサイトは手放し状態でも車が自動で運転してくれるのですか?

 A4:アイサイトバージョン3には、カメラが車線を読み取り、車線の中央付近を走れるようにハンドル操作を支援するアクティブレーンキープの機能が備わる。この機能は65km/h以上で作動する。

 ただし、ドライバーがハンドル操作をしていることが条件になり、手放し状態になると機能が停止されてしまう。クルマが勝手に運転する機能ではない。

アイサイトには車線を認識して、ハンドルをアシストしてくれる機能がある。ただし、手放し運転はできない
アイサイトには車線を認識して、ハンドルをアシストしてくれる機能がある。ただし、手放し運転はできない

 Q5:渋滞の時でもクルーズコントロールで追従走行できるのですか?

 A5:現在新車として販売されているアイサイトバージョン2/3には、全車速追従型のクルーズコントロールが装着されている。

 バージョン3であれば、クルーズコントロールの設定速度は30〜100km/hだが、この速度域を下まわる渋滞時でも、機能が継続して追従走行できる

 先行車が停車すると自車も追従して止まり、電動パーキングブレーキ装着車であれば、その自動的な作動で停車状態を保つことが可能だ。

 先行車が再び発進した時は、スイッチかアクセルペダルの操作によって追従走行を簡単に再開できる。

このように前車が停まるような状況までアイサイトのクルコン機能はサポート可能。ただし、停止した場合の最発進はドライバー自らの操作が必要だ
このように前車が停まるような状況までアイサイトのクルコン機能はサポート可能。ただし、停止した場合の最発進はドライバー自らの操作が必要だ

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