アイサイトにできること、できないこと 【“自動”技術 10の 疑問】

アイサイトはどこまでが「自動」か

 Q6:「アクセル」と「ブレーキ」の操作は、どこまでアイサイトが自動でやってくれますか?

 A6:まず緊急自動ブレーキは、横滑り防止装置やエアバッグのような安全装備だから、装着されていることを前提にした運転を行ってはならない。運転ミスを補う機能に過ぎない。

 いっぽう、クルーズコントロールは運転支援の機能だから、先行車がいる時には、アクセルとブレーキが自動的に操作されて一定の車間距離を保ちながら追従走行する。

 ただし先行車がいない時は、設定された速度で走行する。路面の曲がり具合に応じて速度を調節する機能はないから、急なカーブでも設定した速度で進入してしまう

 したがって追従走行を終えて単独走行に移った時には注意が必要だ。

アイサイトには車線に沿ってハンドルをアシストする機能はあるが、カーブのきつさに合わせて速度を調整することはできないので注意
アイサイトには車線に沿ってハンドルをアシストする機能はあるが、カーブのきつさに合わせて速度を調整することはできないので注意

 また、信号の少ないバイパスなどでもアイサイトのクルーズコントロール機能を使いたい気分になるが(バージョン3の設定速度は30〜100km/hだから市街地にも対応はしている)、使用は高速道路に限ったほうが懸命だ。

 追従走行時には先行車が赤信号で停車すれば、自車も追従して停車するが、単独で走っている時はドライバーがブレーキペダルを踏んで止まらねばならない

 アイサイトバージョン3には信号を検知して表示する機能はあるが、ブレーキ操作までは行わないからだ。

 信号のある道路では、クルーズコントロールは使わないほうが安全性を高められる。

 クルーズコントロールによる追従走行を続けていると、自分でブレーキペダルを踏む感覚が麻痺してくることがあるから充分に注意したい。

アイサイトには赤信号を検知して“知らせる”機能はあるが、“赤信号の時自動で停まる”ことはできない
アイサイトには赤信号を検知して“知らせる”機能はあるが、“赤信号の時自動で停まる”ことはできない

 Q7:「ハンドル操作」も支援して同じ車線をキープしてくれますか?

 A7:アイサイトバージョン3には、前述(A4)のようにアクティブレーンキープの機能が備わる。カメラが車線を読み取り、65km/h以上では車線の中央付近を走れるようにハンドル操作を支援してくれる

 また、車線逸脱抑制制御も装着した。車線をハミ出しそうになると、警報を発してハンドル操作の支援を行い、車線からの逸脱を抑制する。

 Q8:アイサイトはいつでも機能するのですか?

 A8:アイサイトは2個のカメラをセンサーとして使い、その映像データに基づいて周囲の環境を判断している。

 従って、アイサイトの機能は視界によって左右されやすい。ドライバーにとって周囲が見えにくい時は、アイサイトの性能も下がっている。

 例えば、強い雨や濃霧などの悪天候先行車や対向車が巻き上げる水やホコリ、夕日や対向車のハイビームなどによる逆光フロントウインドウの汚れなどにより、アイサイトは機能を低下させてしまう。

 アイサイトの機能が下がると「一時停止/カメラ視界不良」といった表示がマルチインフォメーションディスプレイに示されるので、視界が悪化した時には注意したい。

もし、アイサイトが機能していない場合は、メーターの中央に設置された画面にお知らせが出る
もし、アイサイトが機能していない場合は、メーターの中央に設置された画面にお知らせが出る

 Q9:クルーズコントロールを使っていて、斜め前方を走る車両が急に割り込んできた時なども対応できますか?

 A9:クルーズコントロールによる走行中でも、割り込みには対応できる。ただし、それは通常の車線変更にかぎられる。斜め前方を走る車両が急に割り込んできた時などは、対応できないこともあるので注意したい。

 また、前方で急な割り込みがあり、先行車が強いブレーキを作動させた時なども、自車のブレーキ制御が緊急自動ブレーキを含めて追い付かないことが考えられる。

 したがってクルーズコントロール作動時でも、前方の車両に注意していることが大切だ。足を投げ出すような運転姿勢も避けたい。

 靴の底は常にペダルに向けておき、即座にブレーキペダルを踏める姿勢を整えておく。「自分で運転している」という気持ちを持ち続けることが大切だ。

 Q10:アイサイトは歩行者や自転車にも対応しているのですか?

 A10:アイサイトはカメラをセンサーとして使い、その映像データから対象物を認識する。従って歩行者や自転車も検知することが可能だ。

アイサイトは歩行者や自転車にも対応している。ただし、その時何km/hで走行しているかなどの状況によっては衝突をさけられないケースもある
アイサイトは歩行者や自転車にも対応している。ただし、その時何km/hで走行しているかなどの状況によっては衝突をさけられないケースもある

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