なぜ消滅続出?? 日本車が何度も挑戦し何度も挫折した「小さな高級車」たち 4選

マツダベリーサ

ベリーサ
ベリーサ

 2004年登場のベリーサは2代目デミオをベースに全体的にプレミアム性を加えたコンパクトカーである。

 2代目デミオに対しスタイルの違いはもちろん、楽曲を大量に記録できるミュージックHDDや自発光メーター、レザーパッケージの設定に代表される装備面だけでなく、2代目デミオ自体良好だった乗り心地や静粛性の向上なども施されており、今思うと「小さな高級車」の資質はそれなりに備えていたように感じる。

 だが、ベリーサは自分からアピールするのもなかなか難しいところもあるにせよ「小さな高級車」というイメージは薄く、それこそ一般ユーザーには「デミオの派生車」くらいのイメージしかなかったように思う。

 加えてベリーサは登場時の販売が好調でなかったのもあり、改良で初期のコンセプトを磨くこともできないまま埋もれてしまい、2016年に現行マツダ2(旧名:デミオ)とCX-3に統合されるように絶版となった。

現行マツダ2(旧名:デミオ)
現行マツダ2(旧名:デミオ)

ホンダN-BOX スラッシュ

 N-BOX スラッシュは2014年末に初代N-BOX をクーペルックとし、全高もハイトワゴン級に下げた形で登場した派生車である。

N-BOXスラッシュ
N-BOXスラッシュ

 N-BOX スラッシュは静粛性と乗り心地の向上による高い快適性、価格の何倍もの価値があると断言できるオプションのオーディオの素晴らしさ、軽自動車初の電動パーキングブレーキの採用した。

 さらにボディカラーとインテリアカラーの組み合わせによっては大人が乗ってもサマになる雰囲気となる内外装など、まさしく高級という言葉が相応しい軽自動車に仕上がっていた。

 だが王者N-BOXのあるホンダにおいては善し悪し以前にN-BOXスラッシュは存在感が霞んでしまったのか、組み合わせが多かったボディカラーとインテリアカラーの組み合わせの中でシックなものより若々しいものが目立ってしまったのか、N-BOXスラッシュは全体的に目立たない存在だったのは否めなかった。

N-BOXスラッシュにあったダイナースタイル。赤と白と白黒のチェックが特徴的なデザインであった。
N-BOXスラッシュにあったダイナースタイル。赤と白と白黒のチェックが特徴的なデザインであった。

 そしてN-BOXスラッシュもつい最近次期N-ONEと統合されるような形で絶版となってしまった。

まとめ

 「小さな高級車」というジャンルはアピールや売り方などが難しいだけに、通常以上に入念な戦略や腰を落ち着けることが必要なジャンルに感じる。

 しかし超高齢社会となっている日本を考えると「小さな高級車」は出るのが早すぎたクルマが多かったのも事実だ。

 それだけに5ナンバーサイズは難しいにしても5ナンバー+α程度のサイズまでで、価格は安くなくてもいいから最後のクルマとして乗れる高級な内外装と機能を持った「小さな高級車」が軽自動車も含め登場すれば、今後は受け入れられる可能性がそれなりにある予感がする。

【画像ギャラリー】オシャレなデザインが魅力的だったN-BOXスラッシュをみる

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