うまくいかなかった「小さな高級車」
●トヨタ プログレ
高級車というと、3ナンバーサイズのセダンや高額なSUVなど、大きなクルマをイメージすることが多い。
しかし、大きすぎるクルマは日本国内の道路事情にマッチしないことも多いため、各メーカーは扱いやすいサイズながら性能や装備を充実させた「小さな高級車」をリリースすることがある。
トヨタが1998年に販売を開始した4ドアセダンのプログレは、キャッチコピーがそのものズバリの「小さな高級車」。
実際に高級車といわれたトヨタ セルシオやクラウンレベルのクオリティを5ナンバーサイズの車体で実現していた。
ボディサイズは全幅1700mm、全長4500mmだが室内空間は大きく、本革製シートや本木目パネルの採用、コストのかかる5層塗装のボディなど、高級感を確保する工夫が随所に盛り込まれた。
当時では高級車のみが装備していたレーダークルーズコントロールやブラインドコーナーモニターなども搭載され、クラウンを超えるほどの豪華さで市場にアピールした。
しかし、既存の高級車の牙城は強大であり、プログレの内容がどれほど優れていてもユーザーの心を打つことはなく、販売成績も狙いどおりにはならなかった。
そんなプログレは2007年に一代限りのモデルで終了することになった。
近年では日産 ノートオーラやレクサス LBXなどの成功した小さな高級車があり、トヨタ プログレのコンセプトが間違っていたわけでない。
時代が違えば「プログレ大成功」の歴史もありえたかもしれない。
【画像ギャラリー】盛りすぎが裏目に!? 豪華装備なのに不遇だったクルマたち(14枚)画像ギャラリー意欲的なエンジン+豪華装備も市場に響かず
●マツダ ユーノス800(ミレーニア)
マツダが1989年からスタートさせたのが販売店の5チャンネル化だが、そのなかでもロードスターやRX-7を擁するユーノスブランドは突出した存在だった。
そんなユーノスのフラッグシップセダンとして1993年に登場したのがユーノス 800だ。
ユーノス 800最大の特徴が、量産車では世界で初めて採用されたミラーサイクルエンジンで、一般的なオットーサイクルエンジンよりも効率が高いと謳われた。
エンジンだけでなく、4WSをはじめ、ABS、TCS(トラクションコントロールシステム)、ハイレフコート塗装、ソーラー・ベンチレーション・システムなど、各種装備も豪華なもの。
内装も豪華なユーノス 800は、バブル景気とマツダの強気な5チャンネル戦略を象徴する華やかなクルマであった。
しかし、多チャンネル化の弊害か、ユーノス 800の存在は他車種に埋もれることになり、販売成績は苦戦する。
当初の名称はユーノス 800、そしてマツダ ユーノス 800になり、マツダの5チャンネル体制終了後はマツダ ミレーニアに改名されるものの、それが売り上げ上昇の起爆剤にはならなかった。
モデル末期には肝心のミラーサイクルエンジンも廃止され、2003年には販売を終了。同時にマツダ製高級4ドアセダンの歴史も途絶えることになった。
豪華な装備は高級車の証でもあるが、それが必ずしも商業的成功につながらないのは今回紹介したクルマたちが証明している。
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