なぜ450万円で出せた?
そんなFJですが、もっとも驚かされるのは450万100円(税込)という価格です。ランドクルーザーシリーズといえば、「300」が525万2500円~813万6700円、「250」が577万9400円、「70」が480万円(すべて税込価格)。70の480万円はFJに近しいですが、70は仕事道具的なストイックさを持つモデルである一方、FJはより日常ユースを意識した仕立て。それでいて450万円という価格はかなり戦略的です。
この「バグにも思える価格」を実現できたのは、電動化を見送ったことはもちろん、成熟した2.7L自然吸気エンジン「2TR-FE」と6速AT「6 Super ECT」というパワートレインの採用や、IMV系をベースとすることで開発コストや生産コストを抑えたことが大きいでしょう。
駆動方式もフルタイム4WDではなくパートタイム4WDを採用。ワングレード展開とすることで、装備や仕様を必要以上に増やさず、開発や生産を効率化するなど、コストを掛ける部分をかなり明確に見極めた結果だと思われます。仮にハイブリッド化や高度な電子制御装備まで盛り込めば、価格はさらに上がっていたはずです。
ただもちろん、前述したように、本格クロカンとしての圧倒的なポテンシャルが詰め込まれており、決して安いだけのモデルではありません。見た目や雰囲気だけで終わらせず、「ちゃんと悪路を走れるランクル」として仕立てられているところに、トヨタの強いこだわりが感じられます。
悪路走破性や武骨さを求めるなら、これ以上ない選択肢
そのため、「ランクル」という名や、レトロで愛らしいデザインに憧れて購入すると、「あれ?」という感覚に陥る可能性があることは注意したいところ。内装は実用本位でいたってシンプル、高速巡航時の余裕感でも250に及ばず、乗り心地や静粛性もそれなり。WLTCモード燃費も8.7km/Lと、決して低燃費ではありません。
ただ、ランクルの悪路走破性に魅力を感じつつも、ボディサイズや価格で購入をためらっていた人にとっては、これ以上ない選択肢でしょう。「高級感」や「先進感」を競う流れがある昨今の自動車市場のなか、そこから少し距離を置き、「どこへでも行ける道具」としての性格を色濃く打ち出したことこそが、ランドクルーザーFJ最大の価値。「毎日使えるサイズの本格ランクル」を待っていた人にとって、FJはかなり魅力的な選択肢になりそうです。
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