エンジンオイルの偏りはあるのか?
斜め駐車でよく話題になるのが「エンジンオイルが偏ってエンジンを傷めるのではないか」という問題だ。確かにエンジンオイルは液体であるため、クルマが傾けばオイルパン内で油面も傾く。
しかし現代の自動車エンジンは、ある程度の傾斜を前提として設計されている。坂道発進や山道走行では車体が大きく傾くこともあり、その程度で潤滑不良が発生するようでは実用にならない。
エンジン停止中はオイルポンプも作動していないため、オイルがどちらかに寄っていても基本的に問題はない。エンジン始動後はオイルポンプが速やかにオイルを循環させるため、通常の傾斜であれば潤滑性能への影響はほぼない。
ただし、極端な傾斜角度では話が変わる。
例えば競技車両やクロスカントリー4WDが急斜面を走行するような状況では、オイル吸入口が露出してしまい、一時的な油圧低下が起こる可能性がある。そのためモータースポーツでは専用オイルパンやバッフルプレートなどの対策が施されている。
しかし一般的な駐車場や住宅地の坂道程度であれば、そのような心配はまず不要だ。
むしろ注意したいのはエンジンオイル量の確認である。傾いた場所でレベルゲージを確認すると正確な測定ができないため、オイル量チェックは必ず平坦な場所で行いたい。
結論として、日常生活で遭遇するレベルの斜め駐車によってエンジンオイルが偏り、エンジンが故障する心配はほぼない。タイヤやサスペンション、ボディも同様であり、現代のクルマは想像以上にタフなのである。
ただし、極端な傾斜地での長期保管や空気圧不足のまま放置することは避けたい。クルマを長持ちさせるコツは、斜め駐車そのものを恐れることではなく、適切なメンテナンスと保管環境を心掛けることなのである。
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