わずか4人乗りの初代エルグランド!! 「ロイヤルライン」が先取りしていた高級ミニバンの未来

スマホもない時代に「移動しながら仕事をする」を目指した

 ロイヤルラインが時代を先取りしていた理由は、後席の快適性だけではありません。いまでは当たり前になった「移動中の仕事」という概念を、約30年前に形にしていた点も特筆すべきポイントです。

 後席中央には美しい木目調キャビネットを配置。その内部には100V電源付きのパソコン収納スペースやスライド式テーブルが組み込まれ、A4サイズの書類を収納できるスペースも用意されていました。「移動しながら情報を収集し、発信する執務室」というコンセプトを、まだインターネットが普及し始めたばかりの1998年当時に具現化していたのです。

 さらに後席専用の7インチワイドTFT液晶モニターを装備。当時としては先進的なCDデッキやスペクトラムアナライザーに加え、再生専用VHSビデオデッキまで標準装備。間接照明やダウンライト、スポットライトなどを組み合わせたトータルコーディネート照明も採用し、用途や気分に応じて車内の雰囲気を変えることもできたほか、専用チューニングのサスペンションや追加された遮音材によって、静粛性と乗り心地も徹底的に追求。移動中にノートパソコンを使うことまで想定した快適性は、現在の高級ミニバンにも通じる考え方だったといえるでしょう。

当時のカタログから。広大な室内空間を活かし、後席を執務室として仕立てたロイヤルライン。いまのモバイルワークを先取りしたような装備が並んでいた
当時のカタログから。広大な室内空間を活かし、後席を執務室として仕立てたロイヤルライン。いまのモバイルワークを先取りしたような装備が並んでいた

新型エルグランドVIPにも受け継がれるのか!??

 スマートフォンもなく、車内で仕事をするという発想すら一般的ではなかった1998年に、「走るファーストクラス」を目指したロイヤルライン。

 その内容をあらためて振り返ると、現在のレクサスLMやアルファードのエグゼクティブ仕様にも通じる発想が数多く盛り込まれていたことに気づかされます。

 まもなく登場する新型エルグランドにもVIPグレードの設定が予定されていますが、かつてロイヤルラインが示した「最高峰の移動空間」という思想がどのような形で受け継がれているのか、注目したいと思います。

【画像ギャラリー】いま見ても規格外!! 高級ミニバンの先駆け「ロイヤルライン」が設定されていた 日産初代「エルグランド」(15枚)画像ギャラリー

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