なぜ「N7」ではなく「プリメーラ」を名乗ったのか
N7の好調ぶりをみれば、新型プリメーラEVも競争力の高い商品となることが期待できますが、気になるのは、日産が「N7」という車名をそのまま使わず、あえて「プリメーラ」という名前を使ったことです。
中国市場では、アルファベットと数字を組み合わせた車名を持つ電動車が数多く販売されており、シャオミ「SU7」やBYDの高級ブランド・デンツァ「N7」のほか、日本メーカーもトヨタの「bZ3」「bZ5」や、ホンダ「S7」、マツダ「EZ-6」など記号式を採用しています。先進性やデジタル感を印象づけるほか、ヒエラルキーがわかりやすいというメリットもあるようです。
ではなぜ、フィリピンで発表したモデルは「プリメーラ」としたのか。かつてのプリメーラはフィリピンに正規導入されておらず、現地でその名を知る人は多くないと思われますが、フィリピンが日本車への信頼が根強い市場であることを踏まえれば、往年の名車の車名を与えることで、このクルマが長い歴史を持つ日本ブランドだ、というイメージを訴求する狙いがあったと考えられます。
また今後の”From China“輸出戦略において、かつてプリメーラが高い評価を得ていた欧州などで、そのネームバリューを生かそうという狙いもあるのかもしれません。
日本では「N7」のほうがいいかも!??
ただ日産は、2026年4月の北京モーターショーで、中国市場向けのPHEVコンセプトSUVに、往年の名車「テラノ」の名を与えており、中国向けモデルでも、車種によっては歴史ある車名を使う姿勢を示しています。
N7のような電動セダンには市場のトレンドに沿ったネーミングを与え、「本格派」であることが求められるテラノPHEVには、新興メーカーにはないヘリテージを活用するという、ネームプレートを商品づくりの一部として考えていることがわかります。
現時点ではこの新型プリメーラEVの日本導入に関する情報はありませんが、もし「プリメーラ」の名で販売されれば、中身は最新のデジタルBEV、名前は往年のスポーツセダンという大きなギャップが生まれることで、かつてのプリメーラを知るファンを中心に賛否をよぶ可能性があります。そのため、日本で販売するのであれば、むしろ「N7」のまま導入したほうが受け入れられやすいかもしれません。
「プリメーラの名前の安売り」と映るかもしれませんが、ビジネスの視点で考えれば、日産というブランドが次の時代もグローバルで生き残るために使える武器(中国の技術と過去の遺産)を全て使い切る、という攻めの姿勢として、この判断にも十分納得できます。
今後は、プリメーラに続き、「サニー」や「ブルーバード」、「シーマ」など、日産を代表する車名が新たな時代のクルマとして復活する日が来るのかにも注目したいところです。
【画像ギャラリー】”超絶ハンドリングマシン”と称された 日産初代「プリメーラ」(17枚)画像ギャラリー


















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