梅雨明け後には35℃を超える猛暑日、40℃を超える酷暑日が待ち受けている。最新車は心配ないがメンテナンスを怠っているクルマは、35℃以上の猛暑や渋滞が重なるとオーバーヒートが起きてしまう危険がある。本企画では、オーバーヒートの原因や症状、予防法、そして万が一起きてしまった時の対処法を詳しく解説する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:bymandesigns@Adobe Stock)
オーバーヒートはなぜ起きる? どんな症状?
エンジンはガソリンや軽油を燃焼させ、そのエネルギーを動力に変える仕組みである。しかし燃焼の過程では大量の熱が発生し、冷却システムがなければすぐに高温となり、エンジンは破損してしまう。
この熱を管理するのが冷却水(クーラント)やラジエーターの役割である。ところが、冷却系統に異常があると熱を逃がしきれず、エンジンが過熱状態に陥る。これがオーバーヒートである。
主な原因は以下のとおりだ。
1:冷却水不足や劣化
冷却水の量が不足すると熱を吸収できなくなり、循環も滞る。また、古くなった冷却水は防錆性能や熱伝導性が低下し、冷却効果を十分に発揮できない。
2:ラジエーターの詰まりや損傷
ゴミやサビが詰まったり、ラジエーター本体が劣化したりすると冷却効率が低下する。走行中の飛び石でフィンが潰れてしまうケースもある。
3:サーモスタットやウォーターポンプの故障
サーモスタットは冷却水の流れを制御する装置、ウォーターポンプは冷却水を循環させる装置である。これらが故障すると冷却水が適切に循環せず、熱がこもってしまう。
4:電動ファンの不具合
渋滞中や低速走行時は走行風が当たりにくいため、電動ファンが重要な役割を果たす。ここが故障するとアイドリング時にオーバーヒートしやすくなる。
オーバーヒートはどう防ぐ?
オーバーヒートは突然起こるトラブルと思われがちだが、多くは日頃の点検やメンテナンスで防ぐことが可能である。代表的な予防策は次のとおりだ。
1:冷却水の点検と交換
リザーバータンクの水位を定期的に確認するとよい。MINとMAXの間にあれば正常である。量が不足していれば補充し、交換時期を過ぎているなら新しいクーラントへ交換することが重要だ。メーカー推奨の交換サイクルは2~4年程度が目安となる。
2:ラジエーターやホースの点検
ゴムホースは熱と振動によって劣化しやすく、ヒビ割れや膨らみが見られたら早めの交換が必要である。また、ラジエーターキャップのパッキンが劣化すると圧力が逃げ、冷却性能が低下するため、キャップも忘れずに点検したい。
3:サーモスタット、ウォーターポンプの定期交換
走行距離10万km前後で交換が推奨されることが多く、長く乗っているクルマほど早めの点検が安心につながる。
4:夏の渋滞対策
エアコンの使用でエンジンへの負荷は高まり、渋滞ではさらに熱がこもりやすくなる。長時間停車が続く場合は、適度に休憩を取りながら走行するのが賢明である。
5:バッテリーや電動ファンの点検
電動ファンはバッテリーやオルタネーターから供給される電力で作動するため、電気系統に不具合があると正常に回らない。冷却系統とあわせて点検することが重要だ。
こうした基本的なメンテナンスを心掛けるだけで、オーバーヒートのリスクは大幅に低減できる。




コメント
コメントの使い方