2026年6月18日、日産新型「キックス」が発売されました。北米では2024年3月に発表となっていただけに、国内導入をいまかいまかと待っていた人は少なくないでしょう。
力強く躍動感のあるエクステリアや質感を高めたインテリア、大幅に燃費を向上させた第3世代e-POWERなど、話題の多い新型キックスですが、グレード構成は、下から「Xシンプルパッケージ」「X」「X+」「G」の4種。それぞれに2WDと4WD(e-4ORCE)が設定されます。
なかでも注目したいのが、最廉価グレードの「X シンプルパッケージ」です。299万9700円(税込)となんとか300万円切りを達成した、いわば「客寄せパンダ」に見えるグレードですが、内容をよく確認すると、そこには若い世代へ新型キックスを届けるための狙いがありました。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】力強く躍動感のあるエクステリアや第3世代e-POWERが魅力!! 日産新型「キックス」(18枚)画像ギャラリー安さだけを前面に出したグレードではない
税込299万9700円の「X シンプルパッケージ」は、新型キックスでもっとも価格を抑えたグレードです。最廉価グレードというと、装備を大きく簡略化した「我慢仕様」を思い浮かべるところですが、新型キックスのX シンプルパッケージは、17インチアルミホイールやLEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキ(オートブレーキホールド付)、電制シフトなどは標準装備。
もちろん、パワートレインは上位グレードと同じ第3世代e-POWERで、プロパイロットやインテリジェント エマージェンシーブレーキなどの先進安全装備も標準装備されています。
ボディカラーはダークメタルグレーの1色のみですが、X シンプルパッケージよりもひとつ上位となる「X」(325万9300円)と標準装備の内容はほぼ変わりません(ナビ取付パッケージの違いのみ)。「X」と「Xシンプルパッケージ」での大きな違いは「選択肢があるかないか」です。
オプションまで割り切った大胆な商品企画
「Xシンプルパッケージ」よりも25万9600円高い「X」では、NissanConnectインフォテインメントシステム[シンプル]や車載通信ユニット、バックビューモニター、プロパイロット緊急停止支援システム、SOSコールなどをメーカーオプションで追加することができます。
「X」よりもさらに上位の「X+」で標準装備となる、統合型インターフェースディスプレイやリモコンオートバックドア、バックドアオートクロージャ―、前席ヒーター付きシートなども、必要に応じて追加することができます。
ただ、「X シンプルパッケージ」では、これらをメーカーオプションとして選ぶことができません。安全装備に関しても、バックビューモニターやインテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)&BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などは、「X」では選択できますが、「Xシンプルパッケージ」では選択することすらできず、オーディオレス仕様ですので、そのままだとスピーカーから音を出すこともできません(ディーラーオプションで9インチDAがあり。価格は税込13万5982円)。
下位グレードでオプションを制限すること自体は一般的ですが、今回の新型キックスのように「後から装備を追加したい人は「X」を選んでください」といわんばかりに、ここまで明確に線を引いた例はあまり多くないでしょう。
ただ、たとえば、X シンプルパッケージで選択することのできないNissanConnectインフォテインメントシステム[シンプル]は、12.3インチディスプレイにゼンリン製ナビゲーションやApple CarPlay、Android Auto、NissanConnectサービスなどを組み合わせたシステムですが、普段からスマートフォンでナビを利用している人にとっては、その役割の一部を代替できます。音楽に関しても、純正システムよりも、持ち運びできるコンパクトなBluetoothスピーカーで十分と考える人もいるでしょう。車載通信ユニットやSOSコールも、使い方によっては優先順位が分かれる装備といえます。
バックビューモニターまで設定すらできないことには驚きましたが、後退時車両直後確認装置(UN R158)への適合については、標準装備される後方ソナーによる警告機能や踏み間違い衝突防止アシストによって対応しています。かつては「何を付けないか」が廉価グレードの特徴でしたが、新型キックスは「何がなくても困らないか」という発想で装備を取捨選択したようにも感じられます。





















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