防御不可能!?!? 車両盗難の最新技術、噂の「リレーアタック」をそれでも防御せよ!!

■日本にはいつ入ってくるのか? もしかしてすでに……?

 現状では被害は欧州が中心のようだが、リレーアタック盗難団が果たして日本にやってくることはあるのだろうか? 

 もしかするとすでに被害が出ているかもしれない。今年の盗難事案報告、2018年にならないと出てこないので直近の状況はわからない。

 幸い、先週中国に行った知人に「リレーアタックの道具を入手できたら(もちろん防犯のための研究用として)買ってきて欲しい」と依頼したところ、今のところはネットなどでは出回っていないという。

 参考までに、2013年の大規模車両窃盗事案は、中国で『イモビカッター』という窃盗道具が流通し始めた直後に発生している。

 とはいえ前述のとおり、アムステルダムで行われた「HITB Sec Conf2017」のテーマになっており、技術的な難易度は低く、低コストで作れるという。時間の問題だと認識しておくべきだろう。

 加えて日本の場合、リレーアタックで盗まれた車両についちゃ解体されて部品になってしまう可能性大。

 部品などお金にならないと思っている人も多いようだけれど、例えばLEDヘッドライトなど片側で10万円近い値がつく。アルミのボンネットや、高機能窓ガラスも高価。

 値がつく部品を使っている車種だと、1台ぶんで300万円を超えることだって珍しくない。

 はたまた、日本でしか販売されていない車両も中古車として海外に持ち出されているが、中古部品の需要は大きい。ハイブリッド車のパワーユニットなど高値が付くという。

 困ったことに車両が出てこないかぎり、どんな方法で盗まれたのかまったくわからない。

 そんなことから現時点でリレーアタックによる盗難事案は「報告がない」とされているようだ。対抗策については前述したが、とりあえず防御するしかないのが現状。

■「普通のキーレスエントリーに戻す」という手段もあるが

 リレーアタックを防ぐためのスマートキーの開発も進んでいるという。参考までに書いておくと、スマートキーを作っているメーカーは世界で数社(日本だとデンソーやオムロンなど)。

 いずれも自動車メーカーと情報交換しながら盗難防止策を練っているらしく、そう遠くない将来、現在考えられるリレーアタックの中継器ではロック開閉やエンジン始動ができなくなる新型も出てくるようだ。

 それまでは「狙われたらオシマイ」という困った状況が続く。

 ちなみに「スイッチを押さないと電波が出ないようにすればいい」みたいな意見も出るけれど、それだとふつうのキーレスエントリーと変わらない。

 加えて現在のスマートキーは、微弱電波を出すシステムを解除する設定がある(ディーラーでやってくれる)。

 この設定を行うと、スマートキーでプッシュボタンを押すだけでエンジン始動となるのでリレーアタックから守ることができる。利便性という点で後退してしまい解決策にならないと思うけれど……。

 もうひとつ。強く要望したいのは、警察と自動車メーカーがリレーアタックの可能性がある窃盗情報をキチンと出してくれること。

 どちらも積極的に動かないばかりか自動車メーカーなどを取材してもノーコメント。泥棒天国になってしまう。

 スマートキーを使うクルマのオーナー全員がリレーアタックによる愛車の盗難危機にさらされていると言っても過言ではない。

■対応する保険商品は出ていない

文:ベストカー編集部

 本企画を受けて、各保険会社に問い合わせてみたが、残念ながら今のところ、損害保険会社各社ではリレーアタックに特化したような保険商品は出していない(まだ被害が認知されていないのだから、当然といえば当然だが)。が、盗難補償のある任意保険に入り直すことによって泣き寝入りを防ぐことはできる。

が、盗難補償のある任意保険に入り直すことによって泣き寝入りを防ぐことはできる。

 やはり金額的には負担が増えてしまうのは避けられないが、愛車を盗まれてローンだけが残る……なんて万が一の事態に備えて検討してみるのもいいだろう。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!