2026年現在、アジアクロスカントリーラリー(AXCR)で三菱ラリーアートの総監督を務める増岡浩氏は、かつてパジェロを駆ってパリ-ダカ連覇をはたした伝説のドライバー。増岡氏に歴代三菱 パジェロと、新型への思いを伺った。
※本稿は2026年6月のものです
取材・文:大音安弘/写真:三菱、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年7月26日号
衝撃的だった初代パジェロ
僕(増岡氏)が三菱自動車の契約ドライバーになったのは、1982年のこと。三菱ジープで、国内オフロードレースに個人で参戦し、結果も出していた。それが評価され、三菱自動車のチームに「新型車でレースをしないか」と誘われた。その新型車こそパジェロでした。
初対面は、発売前に富士スピードウェイでの試乗。オフロードレース仕様のものでアタックすると、自慢のジープより速く、乗り心地もいい。物凄いクルマだと衝撃を受けました。
1983年のパリ・ダカに初参戦で、市販車無改造クラスで優勝を飾っていますが、その開発にも、私のパジェロが活躍。最初こそサスのアームが曲がるなどのトラブルが起きましたが、すぐに対策品が新車に投入されるなど物凄いスピードで開発が進んでいました。
もちろん、国内レースやパリ・ダカの知見は惜しみなく市販車に投入され、年々進化しました。
初代の凄さは、街乗りから悪路まで万能に使え、快適性も高いこと。従来のフレーム4輪駆動車とは一線を画すものでした。高速移動も快適で、悪路にも強い。安心して、アウトドアやスキーが楽しめる存在。私も初代のガソリンターボ車との生活を楽しみました。
ベストは2代目をベースとしたパジェロエボ
大ヒット後の2代目は正常進化でしたが、最大の特徴はフルタイムとなる「スーパーセレクト4WD」の登場。常時四駆の安心感の高い走りが自慢でした。
2代目で特に思い出深いのが、パジェロエボリューション。パリ・ダカ参戦のためのホモロゲモデルで、ラリーだけでなく、市販車もよかった。個人的にも2台乗り継いだほどお気に入りでした。
3代目は、シリーズ初のモノコックボディ化。その方針転換は、社内でも多くの議論が交わされたほど。しかし、開発陣はモノコック化に意欲的でした。
当時のパリ・ダカは、高速度域に突入。私も軽量なモノコックボディのメリットが大きいと考えた。他社より先にビルトインラダーフレームに取り組んだことはいい知見になったと思います。
そして、四駆も「スーパーセレクト4WD-II」への進化。走行に合わせて前後動力配分を最適化できるので、走りもより洗練されました。
4代目は、どんな路面状況でも走りこなすように磨き上げましたが、やはり、オフロード走破性が凄かった。当時、もし地球一周するレースがあれば、パジェロが一番と言っていたほど。まさにパジェロの集大成といえる存在でした。
最後に、増岡浩氏から読者のみなさまにメッセージをいただいた。
「僕も皆さん同様に、パジェロ復活を望んできたひとりです。新型の出来がいいので、楽しみに待っていてください」。
とのことだ。楽しみに待っています!
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