この先、各社の競争がより激しくなる自動車業界は、マツダのような小規模メーカーには苦難の道となるだろう。自社の個性を保ちつつ生き残る術はあるのだろうか? 井元康一郎氏はマツダの生き残りの道として「3つのカギ」を挙げた。
※本稿は2026年8月のものです
文:井元康一郎/写真:マツダ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年9月10日号
マツダの「この先」に待つ生き残りのカギ
競争激化の一途をたどる世界の自動車市場。小規模メーカーのご多分に漏れずマツダも強烈な圧を受けている。はたしてアイデンティティを保ちつつ生き残る道はあるのだろうか。
道は細く険しいが、拓けてはいる。カギを握るのは、
(1)電動化を巡るトヨタとの連携強化
(2)自社技術であるエンジンの性能をトップランナー級に保つ
(3)マツダの従来の顧客層をキープする商品ラインナップ構築
の3点だ。
まずは電動化対応。生き残りの必須要件であるBEVやフルハイブリッドを作るのに必要な重要技術だが、マツダが単独でやるのは非現実的。
遠い未来にはバッテリーと駆動系がセットになったモジュールを巨大サプライヤーが作り、それを車両に適合させればすむ時代が来るが、それまでの長い時間を乗り切るには、すでに手を組んでいるトヨタとの協業関係を深化させ、世界の環境政策やユーザーの消費動向に素早く対応できるようにしておきたい。
2番目のエンジン開発は1番目とも関連する。
トップランナー級のエンジンを作ることで電動化とは逆にトヨタからのアウトソーシングの引き受け役になれることを示す。その力があれば下請けとして組み敷かれるのではなくパートナーであり続けられる。
そのためにはまず、現在開発中の次世代エンジン「SKYACTIV-Z」をしっかりとした性能に仕上げることがマスト。これまでの実績からもマツダのエンジン技術は高く、SKYACTIV-Zを成功させることによって、マツダのイメージアップにもつながる。
もうひとつのアイデンティティであるロータリーエンジンは作ってもいいが、その武器にはならない。
第3の自社顧客を逃がさない商品体系の再構築は、マツダブランドの生き残りのなかで特に重要。
マツダはラインナップの高級化を図ってきたが、旧来の顧客の所得がそれと連動して上がるわけではない。現在のモデル群で本当の意味で顧客を保持し続けられているのは「ロードスター」のみで、後は何らかの形で顧客シフトが要求されるモデルばかりだ。
CX-3がいったん終了し、マツダ2も生産終了が既定路線。低価格帯モデルが現状空席となるが、元々マツダはバジェット(お買い得)であることが身上。裾野であるエントリークラスまでをしっかりカバーするための代替策が求められる。
すでに就任4年目に入る毛籠勝弘社長だが、マツダがアイデンティティを保ち続けるために必要な改革を行ううえで、リーダーシップが要求されるシーンはますます増えるだろう。今後の展開から目が離せない。
【画像ギャラリー】マツダ2は終わるけど……やっぱりマツダには「コンパクト」が必要だ! 期待大なビジョンXコンパクトがコレ!(16枚)画像ギャラリー



















コメント
コメントの使い方