2026年9月2日、三菱自動車が新型「パジェロ」を世界初公開した。4代目が生産を終えてから約5年、三菱のフラッグシップとして君臨し続けた「砂漠の王者」がついに帰ってきた。1982年の初代から4代目までの累計生産台数は329万台超、170以上の国と地域で親しまれてきた三菱を、いや日本を代表するクロスカントリーSUVの名門ブランドである。新型は歴代が磨き上げてきた「悪路走破性・信頼性」「快適性と扱いやすさ」に、フラッグシップにふさわしい「上質さ」を加えた全方位進化。今回発表されたのは全長×全高×全幅やパワーユニットと内外装。車両本体価格やグレード構成は年内正式発表時までお預けとのこと。新型パジェロは、生産拠点のタイを皮切りに日本、オーストラリアへ投入され、日本での正式発売(納車開始)は年内とみられる。
文:ベストカー編集局長T、写真:奥隅圭之、三菱自動車
【画像ギャラリー】新型パジェロ全部見せます!! 公開画像一気紹介(74枚)画像ギャラリーデザインコンセプトは「グランドカリスマ-泰然自若-」!! 歴代パジェロのDNAが宿る内外装
新型パジェロのデザインは、4代目の発売から20年という時間の変化を見据えつつ、歴代が築いたヘリテージを継承するという難題に挑んだものだ。掲げたデザインコンセプトは「グランドカリスマ-泰然自若-」。細部まで徹底的に作り込むことで、力強い存在感と上質感の両立を狙っている。
エクステリアは、初代から受け継ぐ水平基調でスクエア、塊感のあるプロポーションがベース。そこにパフォーマンスを表現する力強いフェンダーと、立体感あふれるボディを組み合わせた。フロントフェイスが表現するのは、日本の剣道に通じる内面の強さだという。
フロントグリルは日本のものづくりの精巧さを表す横桟タイプと、機能美と高強度をイメージさせるハニカムタイプの2種を設定(おそらく「上級グレード」と「一般グレード」の2種類のグレードが設定されるということだろう)。ヘッドランプは先進感の強いT字型だ。
そしてマニアが唸るのがサイドとリヤ。Cピラーは初代パジェロのロールバーから着想を得たもので、リヤには歴代の背面タイヤを想起させるヘキサゴンモチーフを採用する。往年のパジェロ乗りなら、ひと目でその意図を読み取れるはずだ。
インテリアもまた水平基調のインストルメントパネルを継承。14.3インチディスプレイ2枚(グレードにより12.3インチ)で構成する「モノリスディスプレイ」には、パジェロ伝統の3連メーターを現代的に進化させたマルチメーターを表示する。インパネやドアトリムには日本の伝統工芸「木目込み」に着想を得た縫製技法によるソフトマテリアルを用い、立体感と上質感を演出した。
ボディカラーのテーマカラーは2色。重厚な金属を思わせるアーマーカッパーメタリックと、光の当たり方でゴールドのハイライトが浮かび上がるファントムブルーメタリックだ。内装はキャメルとブラックの2トーンが上質なコントラストを生む。
SS4-II×S-AWCで武装!! 480Nmの2.4Lディーゼル+新開発8速ATを積む本格クロカン
中身も正真正銘の本格クロカンだ。まず骨格は頑強なラダーフレームを採用。長年のラリー活動で鍛えた知見を注ぎ込み、高張力鋼板の採用拡大とフレーム断面積の拡大で軽量化を図りつつ、ねじり剛性と曲げ剛性を大幅に高めた。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤが新開発の5リンク式リジッド。開発では「悪路快適性」を重要指標に設定。単に悪路を走破できるだけでなく、荒れた路面でも乗員が快適でいられることを目標としたという。
パワートレーンは専用開発の2.4Lクリーンディーゼル「4N16」。ワイドレンジのシングルVGターボを採用し、最高出力150kW/3500rpm、最大トルク480Nm/1750-2500rpm(一部仕様は470Nm)を発生する。組み合わされるのは新開発スポーツモード付き8速ATだ。
4WDシステムは、パジェロの代名詞といえるスーパーセレクト4WD-Ⅱ(SS4-Ⅱ)を継承。2H(後輪駆動)、4H(フルタイム4WD)、4HLc(センターデフロック)、4LLc(ローギヤ+センターデフロック)の4モードを任意に選択できる。
さらに新型パジェロは三菱の伝家の宝刀、車両運動統合制御「S-AWC」を新採用。あの! ランエボで鍛え上げたS-AWCが、パジェロに載る!!!! フロントブレーキで左右輪間のトルクを制御するAYC、ASTC、ABSを統合制御し、4輪の駆動力と制動力を最適化。ドライブモードはNORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW/MUD/SAND/ROCKの7種類だ。
ボディサイズは全長4920×全幅1925×全高1910mm、ホイールベース2870mm。最低地上高230mm、アプローチアングル30.4度、ランプブレークオーバーアングル22.6度、デパーチャーアングル25.8度を確保する(いずれも20インチ装着車)。前後重量配分は52:48、最小回転半径は5.8mだ。
3列シート7名乗りでヤマハ製プレミアムオーディオ搭載!! 日本発売は年内とみられる
コンフォート領域(快適装備)も抜かりない。パッケージングは3列シート7名乗車のみ。運転席は着座位置を高めてアイポイントを向上。2列目は150mmのロングスライドとタンブル機構を備え、3列目は大人が座ってもヘッドクリアランスに余裕があり、つま先がシート下に収まるよう足元も工夫されている。シートベンチレーションと3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコンも用意した。
静粛性も相当に作り込まれた。フロントガラスに加え前後ドアガラスにも遮音ガラスを採用し、ボディ各部にも遮音対策を実施。全席で自然に会話ができる室内を目指した。オーディオはヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」。12個のスピーカーとデュアルアンプに加え、車速に応じて音量・音質を自動調整する補正機能を持つ。14.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオは、時間帯で背景が変化するライブバックグラウンドなど全16種のビジュアルを備える。
安全装備も充実。衝突被害軽減ブレーキ[FCM]、前方衝突予測警報[PFCW]、踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]に加え、緊急時車線維持支援機能[ELA]と前進時交差車両検知警報[FCTA]を採用。高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」も搭載する。SRSエアバッグは三菱車初のセンターエアバッグを含む8つ。悪路では4つのカメラによる3Dマルチアラウンドモニターと、車両前方下部の路面を映す「フロントアンダーフロアビュー」が効く。
三菱自動車・岸浦恵介社長は「三菱自動車らしさに磨きをかける中長期ビジョンの第一弾が新型パジェロ。あらゆるシーンで頼れるプレステージなクロスカントリーSUVだ」とコメント。今後「イオ」や「ミニ」などが登場し、パジェロシリーズが準備されていることを示唆。いやー、楽しみ!!
新型パジェロは生産拠点のタイ(レムチャバン工場)を皮切りに、日本、オーストラリアへ投入し、次年度以降はアセアン、中南米、中東など世界約100カ国へ順次展開するとのこと。日本での正式発売は年内とみられる。砂漠の王者の帰還を、指折り数えて待とうじゃないか。早く日本の公道で走っている姿を見せてください!!!!
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