e-4ORCEだけじゃない!! FFでも残せる新型エルグランドの魅力
ただ、実際に所有して感じている新型エルグランドのよさは、走りだけではありません。
高めのルーフラインと立ち上がりのあるサイドシルエットは、初代や2代目を思わせる堂々とした佇まいで、「これぞエルグランド」と思わせます。タイル状のフロントグリルとシグネチャーLEDを組み合わせたフロントマスクも、このクルマの魅力のひとつ。Lクラスミニバンらしい迫力を備えながら、威圧的になりすぎず、上品に仕上がっています。
広い室内や運転席からの見晴らし、ゆったりと座れるシート、落ち着いた内装も、乗るたびに満足できる部分です。しかし、新型エルグランドに惹かれながらも、予算が合わずに候補から外す人が少なくないと考えられます。となると、FF化や電制ダンパーを外したエントリーモデルに期待したいところです。
ただ、FF化すればe-4ORCEによる前後駆動力制御は得られず、コンベンショナルダンパー(非電制ダンパー)を採用すれば、路面状況に応じて減衰力を調整する機能もなくなります。絶対的な動力性能や、ドライブモードの可変幅も同じにはなりません。
それでも、第3世代e-POWERによる滑らかな加速フィールは、FF仕様でも期待できます。車両重量の軽減が見込めるため、e-4ORCE仕様とは異なる軽快な走りになる可能性もあります。
堂々とした外観や居心地のよい室内、第3世代e-POWERによるモーター駆動の走行感覚。走りの性能を少し穏やかな方向へ振ったFFモデルになったとしても、新型エルグランドとして選びたくなる理由は十分にあると、筆者は感じています。
「600万円前後のFF」も加えてほしい
現在の日産のミニバンラインアップには、ミドルクラスの「セレナ」があります。その最上級グレードである「e-POWER LUXION」は、プロパイロット2.0を標準装備し、価格は税込499万8400円。新型エルグランドのエントリーグレード「X e-4ORCE」(税込689万7000円)との間には約190万円の差があり、セレナより広く上質なミニバンが欲しいものの、700万円を超える価格はちょっと……と考える人にとって、現在の日産には選べるモデルがありません。
FFを採用し、装備を厳選した600万円前後のエルグランドがあれば、そうした人も検討しやすくなるのではないでしょうか。FF化やコンベンショナルダンパーへの変更によって、実際にどこまで価格を下げられるのかはわかりませんが、上質な内外装や第3世代e-POWERを残しながら、駆動方式や快適装備を選べるようにすれば、新型エルグランドを候補に加える人は増えるはずです。
また、できれば2列シート仕様も欲しいところ。筆者もそうなのですが、Lクラスミニバンのゆとりや存在感に惹かれて購入する人のなかには、5人以上で移動する機会が少なく、3列目シートをほとんど使わない人もいるでしょう。3列目をなくして広い荷室を設ければ、新型エルグランドを「上質な大型ワゴン」のように使うこともできます。3列目のシートを外したことで軽量化されれば、燃費の改善も期待できます。
セレナには、荷室の使い勝手や車中泊への対応を重視した「マルチベッド」が設定されています。新型エルグランドにも、乗車定員の多さより積載性を優先した仕様があれば、アルファード/ヴェルファイアとは違った方向から、高級ミニバンを選ぶユーザーへ訴求できるはずです。



コメント
コメントの使い方